U-22日本代表「背番号10」鈴木唯人がフランスで学んだこと「イングランドの大きさ、速さ、強さには何とも思わなくなった」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

【9月のアジアカップ予選に期待】

 それでも試合終盤には、松村優太(鹿島アントラーズ)の決定機を2度演出した。

 85分、GK鈴木彩艶(浦和レッズ)からのロングフィードを右サイドに落として松村につなげたが、シュートはGKに阻まれた。90分、鈴木の突破からの折り返しを村松がシュートするも、それはGKの正面となった。だが、惜しかったチャンスには関心を示さない。

「入っていないので何とも思いませんけど......いいんじゃないですか。別にまあ、練習試合というかアレ(親善試合)だったってところで。別にマツ(松村)も気にしないでいいと思いますし」

 イングランドとオランダを相手に1勝1分。結果だけ見れば、上々の欧州遠征と捉えることもできる。だがそれは、この先の自分たち次第だという。

「はたから見たら満足されてもいいと思いますけど、自分たちが満足することは別に必要はない。自分たちが目指しているのは今じゃないので、これを次にうまくつなげていければ、この欧州2戦がよかったと言えると思います」

 この日の悔しさ、不甲斐なさは、次につなげてこそ──。まずは9月のU23アジアカップ予選での爆発に期待したい。

プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

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