サッカー日本代表の課題は解決されるのか 識者は「偽サイドバック」「ビルドアップ」「ゴールの取り方」に注目&現状を分析 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Sano Miki

【久保建英はどこで使われるのか】

――中山さん期待の久保はどうでしょう?

中山 右が伊東だとすると、左が三笘。さあ、久保は? ってなりますよね。ここがだから面白いというか、2試合あるなかで多分ペルー戦にどちらかというとAチームみたいな編成を考えるとすると、久保としてはやはりAチームのほうのスタメンで出たいだろうなと。どうでしょう。トップ下で使ってもらえるかどうか。

 やればできると思うので、守備の時に上田、あるいは古橋かもしれないけど、その2人でしっかりやって、あとは攻撃ではサイドに流れてプレーという使われ方があれば、そこでプレーするのもありかなと思いますけどね。

西部 僕は今の感触だと、最終的にはトップ下というポジションはなくなると思います。

中山 4-3-3ですか?

西部 4-3-3というか、4-1-4-1というか。簡単に言うと次のW杯に向けての日本代表のモデルはモロッコですね。カタールW杯では4-1-4-1でコンパクトにしっかり守ってショートカウンターをかけるというのが理想かなと思いますね。

 そうなるとトップ下というポジションはないわけです。だから、インサイドハーフとしてどれだけ守備で貢献しつつ、前に飛び出して得点したりアシストしたりできるかというところが問われてくると思うんですけど。

 ただオプションとして、4-4-2というか4-2-3-1は持っておきたいと考えると、そこで久保や鎌田を使う、あるいは将来的には伊藤涼太郎をテストすることは意味があるとは思います。ただ、次のW杯で最終的にこのトップ下というポジションがあるかどうかは、かなり懐疑的です。

 逆に言うと、鎌田は3月の時にボランチでも使われたし、インサイドハーフはもともと適性はあると思います。久保もそう。久保は最初はトップ下と右サイドだったけれども、レアル・ソシエダの今シーズンのプレーを見るとすごい守備の強度も上がってますから。むしろインサイドハーフは、すごくうまくできるんじゃないかという期待はあります。

――最終ラインを5枚にするぐらいだったら、4-1-4-1のほうがやや攻撃的という感じですか?

西部 それは伊東と三笘がいるから。両ワイドに突破力のある選手がいるし、そこが最大の武器ですから。前回も言いましたが、5バックにすると彼らの居場所がウイングバックになってしまうんですよね。そうすると攻撃に出るスタートポジションが、あまりにも低すぎるのがもったいない。4-1-4-1、4-3-3のワイドであれば、それより一つポジションがあがるというのが主な理由です。

 それで、なぜ4-4-2の守備ブロックじゃないかというと、4-4-2では守れないというのは、カタールW杯でほぼ証明されてしまったんです。「4-4」のブロックで守れるのであればトップ下を置けると思います。2トップの一つは、基本的にトップ下のポジションなんで。

 ただ、「4-4」のブロックで守れないのが一番痛いところで、それを次のW杯までに仕込むのもちょっと無理なんじゃないかなと。一番後ろか中盤に「5」を作らないと難しい。

中山 次のW杯はまた戦い方が変わるかもしれないですけど、このエルサルバドルやペルー相手には、多分前回を踏襲することが予想されると。だからもし久保を使うとすると、スタメンだったらトップ下になっちゃうのかなと思ったんですよね。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る