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サッカー日本代表の当たり前すぎる選手選考にメス「代表とJリーグにつながりがないのは危険」 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Kishiku Torao

【日本代表業界は今までどおりだと悲惨な感じに】

――そこは森保監督が続投になった時点で、中山さんは諦めているという感じでしたが、西部さんは森保監督でもそういうことを調整していったほうがいいのではないかと?

西部 森保さんは会長の言うことを聞くから監督をやっているという理由が結構あると思うので、そうであれば会長がこうすると言ったら、僕は森保さんは反対しないと思うんです。

中山 ただ、上の意向というものがやっぱり当然あると思いますから、まあ今の会長でいる限りは、この流れは誰が監督をやってもあまり変わらないだろうなと。

 日本人じゃなくて外国人監督とかだったら、言うこと聞かずに我を通す人もいて、それはそれで面白いけれども、そういう人を呼ぶわけがないかなと思いますので、この流れは変わらないだろうと。

西部 逆に言えば、監督が森保さんだったら変えやすいと思いますよ。もっとJリーグの選手を20人ぐらい呼べって言えば......。

中山 いや、上が多分そうじゃないでしょう。

西部 そう。

中山 そこが問題なんですよね。

西部 とにかく、とりまく状況がこれだけ変わっているのに、全然変わらないのは大丈夫? って思っちゃいますけどね。

中山 次のW杯予選もそうですけど、いろんなことを考えていくと、日本代表業界は今までどおりやっていると、結構悲惨な感じになってしまうという。

西部 予選なんか全然盛り上がらないですよね。だって前回の予選のグループで言えば、オマーンとかUAEとかが出られるという。中国だってプレーオフに回って出るかもしれない。

中山 出るでしょうね。

西部 まあ中国はFIFAが出したいんですけど、そういうのは別として、その予選で盛り上がれない。絶対負けられないというか、もう絶対負けるわけがないんだから、盛り上がりはないですよね。

中山 だから、普通に今までどおりのベストメンバーではなく、全然違うメンバーでやったほうがいいかもしれませんね。

西部 だから僕が言ったように、Jリーグを盛り上げるために日本代表を使うというのは一つの考え方で、ほかにもいろいろ考え方はあるけれども、今までと全く同じってことはないだろうというのが正直な感想です。

著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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