U-22日本代表の「ネガティブ要素」ばかり出たベルギー戦 課題は「非日常」の強化以上に必要な「日常」の強化 (2ページ目)
チームを率いる、大岩剛監督が振り返る。
「持っていたプランと、予想し得るネガティブな要素と、当然両方を持って(試合に)入るが、ネガティブな要素が思いっきり出てしまい、ああやって支配されたなかで失点を重ねてしまった」
指揮官は「守備の連動性のところをうまく提示できなかった」と悔やみ、「こちら側(コーチングスタッフ)の準備不足」と選手をかばったが、ピッチ内の出来事に対する選手自身の判断や適応といった点で、物足りなさがあったことも否めない。
このチームでは数少ない海外組である、DF内野貴史が語る。
「これから大切な試合になればなるほど、前半の自分たちのプレーというのはあってはいけない。こういう試合を、よく追いついたという言葉だけで片づけちゃダメだと思う」
そして内野が、「今までの経験とか、いろんなものを含め、なぜそれが起こるのかという原因を、ちゃんと自分たちで突きとめていかなければいけない」とも話したように、やはり若い選手たちの経験のなさが、そこに大きく影響していたと考えるべきだろう。
現U-22世代の懸念材料として、所属クラブでの実戦不足はすでに指摘されているところではあったが、その不安がベルギー戦ではモロに現れた格好だ。先のドイツ戦でも、すでに垣間見えたものであるとはいえ、今回のベルギー戦ではそれがさらに顕著となった。
守備では、もう一歩前に出るべきところで、抜かれたくないから逆に一歩下がってしまう。攻撃では、縦にパスを出せるスペースがあるのに出し手も受け手も怖がって、結局はバックパスで前進のタイミングを逸してしまう。そんなシーンが目についた。
内野が続ける。
「(戦術というより)チームを全体で鼓舞していく雰囲気が、もうちょっとあってもいい。そうしたら、前半に押されるという今回出た課題も、今後はなくなっていくのかなと思う」
ベルギー戦の先発メンバーのうち、(国内外を問わず)所属クラブの主力、あるいはそれに準ずる立場にいる選手は半数程度。世界的に見れば、もう若手とは言っていられないU-22世代にあって、それは決して芳しい状況ではない。
「(U-22代表は)新たな気持ちになれる場所ではあるが、やっぱりF・マリノスでの悔しさはあるし、それを持ちながら今頑張っている」
今回の遠征に際し、そう話していた藤田も、今季ここまではJ1での先発出場がない(第5節終了時)。
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