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松木玖生らを擁するU-20日本代表 コロナ禍の影響をもろに受け強化に苦しんだ世代が世界大会への切符を手中に (3ページ目)

  • 松尾祐希●取材・文 text by Matsuo Yuki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

【自分たちの足で歩けるチームに】

 試合では序盤から相手の状況を見ながら、ボールをしっかりつないで攻撃を構築。守備でもリスク管理をしながら運べるシーンでは前に出て攻撃の起点になるプレーを見せた。前半をスコアレスで折り返しても動じず、後半にしっかり仕留めて2―0の完勝。

 終了間際には選手たちが松木を中心にピッチ内でコミュニケーションを取り、うまく時間を使って時計の針を進めてゲームを締めた。このチームの団長を務める反町康治・日本サッカー協会技術委員長も「今大会で一番いいゲームだった」と賛辞を送るほどの好ゲームで、ワールドカップ行きを手繰り寄せたのだ

 不安視されていたものの、チームは4連勝で準決勝に進出。ワールドカップ出場という最低限の目標も達成し、新たな戦いに向かって走り始めた。

 チーム立ち上げ当初は精神的にも未熟で不安だらけだったが、動じずに戦えるだけの逞しさがある。『かわいい子には旅をさせよ』という慣用句があるが、そうした経験を経て監督の手を借りずとも自分たちの足で歩けるチームになった。まだまだ課題もあるが、世界に挑むスタートラインに立った。

 今大会は最大であと2試合。さらなる経験を積めれば、チームはもっと強くなれる。U-20ワールドカップ開幕まであと2カ月。限られた時間を有効に使うべく、チームは新たな目標に向かって歩き出す。

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