「フェイエノールトを選んでいたら違っていただろうな」ハーフナー・マイクがフィンランド行きを決断した裏事情 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 つまり、前田大然選手が7〜8割の力で走ってもスプリントとしてカウントされるんですが、僕の場合は一生懸命に走っても、数字として残らないことが多いんです(笑)。

 これで評価されるようになったら厳しいなって、そう感じたのを覚えています。だったらもっと頑張って走ればいいじゃないか、という話になりますが、でもそうなると、自分のプレースタイルを崩すことになるじゃないですか。

 守備に追われてゴールが減ってしまったら、自分の武器も失いますし......。ただ、これも言い訳にしか聞こえないですよね」

── ただ、カタールW杯の日本代表もそうかもしれませんが、最近は守備に主眼を置くのが日本のFW像になってきた一方で、守備をするFWでチームが強くなれるのかという疑問もあると思います。そもそもクラブも代表も、強いチームには必ずゴールを量産するFWがいるわけですし、そういう意味では、ハーフナーさんタイプのCFは貴重だと思います。

「実は僕も、それが一番言いたいことなんです(笑)。結局、W杯でも得点ランキングの上位はFWが占めていて、それはエムバペやメッシがカタールW杯で証明しましたし、ジルーも4ゴールを決めています。各国リーグを見ても同じで、ほとんどの場合は優勝チームから得点王が生まれていますしね。

 でも、Jリーグは必ずしもそうではなくて、10点台前半で得点王になる場合もあります。もしかしたら、それはFWの守備に重点を置きすぎることが原因かもしれません」

── ゴール数にこだわるストライカーのメンタリティを持ったFWを育てることも、日本サッカーにとっては大切なことかもしれませんね。では、最後に今後の展望をお聞かせください。

「やっぱり今後もサッカーに携わっていきたいですね。昨年、ある高校で1日だけコーチをさせてもらったんですけど、以前は指導することにまったく興味がなかったのに、やってみたらそれが案外楽しくて。自分のアドバイスでその選手が少しうまくなったりするのを見ると、指導者ライセンスを取得する必要もあるかもしれないと思い始めています。

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