ハーフナー・マイクが語った「後悔」のサッカー人生とは?「自分のポテンシャルをフルに出しきれなかった」 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

── 引退発表のコメントのなかで気になったのが、「後悔することもあるサッカー人生でしたが......」という部分でした。具体的には、どのあたりを後悔しているのですか?

「ひとつは先ほども少し触れた若い頃の自己管理で、もうひとつは移籍先の選択ですかね。今振り返っても、スペインに行くべきではなかったかな、と」

── そうなんですか? コルドバに移籍した時は期待して見ていたのですが。

「あまり後悔という言葉は使いたくはないんですけど、あれは失敗だったかなって。

 あの時、オランダのフィテッセで2年半プレーしてそれなりの結果を残せたので(2年連続ふたケタ得点)、次のステップを考えての移籍だったんですけど、実は同じタイミングでフェイエノールト(オランダ)からもオファーがあったんです。

 最終的にスペイン1部に昇格したコルドバを選択したわけですけど、もしあの時にフェイエノールトを選んでいたら、その後のキャリアも変わったかもしれませんし、もっと日本代表にも絡めたかもしれない。

 それも含めて、選手として自分の持っていたポテンシャルをフルに出しきれなかったと感じる部分はあります」

── 横浜F・マリノスでデビューした頃は、たしかに年代別代表でもズバ抜けた才能を発揮していて、周囲からもすごく期待されていました。

「ええ。ただ、トップデビューは早かったんですけど、スタメンの座は奪えなかった。だから、本当の意味で飛躍するきっかけをつかめたのは、鳥栖の時代ですね。

 それまでは『努力がすべて』みたいに頑張って、ずっと切羽詰まった感じでやっていましたが、その頃から自分に必要以上のプレッシャーをかけるのをやめたんです。そしたら、急に周りがよく見えるようになったというか、肩の荷が下りた感じでプレーできるようになったのが大きかったと思います。

 それと、それまで先輩の飲みの誘いもすべて断っていたんですが、それも断らないようにしました。やっぱり先輩の話を聞くことも大事なことですし、そういうことも変化のきっかけになったんじゃないかと思います」

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