カタールW杯で選手たちが語っていた自身と日本代表に足りなかったこと。次回W杯には「バケモノになって戻ってきたい」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 だが後半に入り、クロアチアがよりシンプルに前線へボールを送ってくるようになると、後半55分、アーリークロスにヘディングで競り負け、同点ゴールを許してしまう。

「スペイン戦と同じような失点になってしまった。甘さが出た」(冨安)

「誰がどう見ているのかが、少し曖昧になったところが正直あった。もったいなかったなと感じている」(谷口彰悟)

「相手も変に崩すよりは、もうシンプルに入れて、そこで何か事故を起こすみたいなイメージをしていたと思うし、そこで勝負するというところでやられてしまった。悔しさが残る」(遠藤)

 1-1のタイスコアになった試合はその後、両チームともに必要以上のリスクは負わず、慎重な戦いを選択した結果、こう着状態に陥った。

「疲れもあったので、あの失点から少しギアを上げきれなかった。自分も何かしようとしていたが、チャンスを作れなかった」(堂安)

「まずはゼロで抑える、というのがあったと思うし、そこからうまくカウンターができたら、という感じだった」(伊東)

「(前線に)スペースは空いていたので、そこを狙うのは第一優先として間違いではないと思うが、もう(浅野)拓磨に頼りきりになってしまった」(谷口)

 試合は90分で決着がつかず、勝負は延長戦に持ち込まれたが、それでもなおスコアが動くことはなかった。

「追加点を狙いにいったが、向こうのパワーに押される時間帯がどんどん増えてきて、何とか最少失点で抑えながら、という戦い方になってしまった。世界のトップ8にいくことを考えると、より点をとりきる力を持っておくことが必要なんだと感じた」(谷口)

「相手のサイドバックがもう足がつりかけていて、疲れていたので、うまくボールを受けられればいけるなと思っていたが、ルーズボールをうまく拾えず、拓磨のところにもうまく収まらないことが続いて、延長戦も終わってしまった」(伊東)

「相手はたぶんPKでもオッケーくらいの感じだったのかなと思うし、自分たちも1-1で失点はしたくなかったので、硬さがあったというか、(もっとボールを)動かせるところでも前半よりシンプルにやるプレーが多くなってしまった」(遠藤)

 結局、ベスト8進出をかけた勝負の行方は、PK戦に委ねられた。

「最初から(PK戦は)想定していた。堅い試合になると思っていたので、最悪そこもあるなと思っていた」(吉田)

 だが、日本は1人目の南野拓実、2人目の三笘薫が相次いで相手GKに止められて失敗。3人目の浅野は決めたものの、4人目の吉田も止められ、万事休した。

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