スペイン戦を日本代表選手たちの言葉とともにプレイバック。あの2ゴールが生まれるまで。選手たちのあきらめていなかった心境

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

カタールW杯
選手コメントで綴る日本代表激闘録(3)
12月1日vsスペイン

スペイン戦、田中碧の逆転ゴールを導いた三笘薫の奇跡的な折り返しスペイン戦、田中碧の逆転ゴールを導いた三笘薫の奇跡的な折り返しこの記事に関連する写真を見る 日本のグループリーグ第3戦の相手は、スペイン。ユーロ連覇(2008年、2012年)に加え、ワールドカップ初優勝(2010年)も果たした2008年~2012年頃の強さは失われたとはいえ、依然として世界トップレベルの実力を持つ優勝候補のひとつだ。

「(ドイツvsスペインを見て)ドイツはスペインのよさを消すチャレンジをしたと思うが、それでもスペインは当たり前のようにボールを保持できる。テレビゲームをしているように、思ったとおりにボールが動いていた」(権田修一)

「スペインが、僕らより実力が上なのは百も承知。(自分たちがやるべきは)まず走ることと、体を張って守ること。それがベースになる」(浅野拓磨)

 また、日本にとってスペインは、2021年東京五輪の準決勝で敗れた因縁の相手でもある。

「カテゴリーは違えど、戦い方やボールの動かし方は変わらない。頭のなかにイメージが湧いているのはプラスになる。(東京五輪で)負けてから、こんなに早く借りを返せるチャンスがくるとは思わなかった。それは僕だけじゃなく、五輪(代表)の選手全員が思っていることだと思う」(吉田麻也)

 この試合、日本は過去2戦とは異なり、スタートから3-4-2-1を採用。守備時は5-4-1のコンパクトなブロックを形成するが、それでもスペインのパスワークに翻弄され、自陣深い位置に押し込まれることが多くなった。

「5-4-1で低く守ってカウンター(を狙う)というのは最初からイメージはあったが、相手は僕たちの守備の仕方を見てプレーを選べるような選手ばかり。どうしてもひとり浮いてしまったところを簡単に突かれるようなことが多かった」(守田英正)

 できるだけ0-0の時間を長くしたい日本だったが、前半11分にして早くも失点。その後も、スペインに主導権を握られる時間が続いた。

「前半は見てのとおり、すごく苦しい展開だった。早い時間で(先制点を)とられたことはプランどおりではなかった」(守田)

「あれだけ(パスを)回されていると、奪ったあとに(味方の選手が)いいポジションにいないのはよくあること。やっぱりスペインはボールを奪われたあとの寄せが速かったし、囲みも速かった」(板倉滉)

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