カカロニすがやがW杯現地観戦で感じたカタールの様子。「ダフ屋がいなくなった」「アジアの人たちは日本を誇りに思ってくれている」

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【日本に持ってきてほしいコンテナでつくったスタジアム】

 9試合を見たなかで、個人的に一番印象に残ったスタジアムが「スタジアム974」でした。ここはW杯が終わったら取り壊されるスタジアムなので、コンテナを資材として使っていて、デザインがめちゃくちゃオシャレなんですよ。

 もともとそういう色なのか、あえてそういう色にしているのかはわからないですけど、コンテナひとつひとつがすごくカラフルでかわいいし、今までに行ったスタジアムのなかでも建造物としてのデザインは一番好きですね。

 外観だけではなくて、4万人収容の客席は傾斜があってすごく見やすいし、取り壊すなら日本に持ってきてそのまま再利用してほしいと思うくらいです。世界中のサポーターからも評判がいいみたいですね。

 それから決勝も行なわれる約9万人収容の「ルサイル・スタジアム」もすごく印象に残っています。その規模のスタジアムに行ったのが初めてで、7万人収容の日産スタジアムと比べて「(さらに)2万でこんなにも違うのか!」と思うくらい、入った時の迫力が桁違いでした。

 今大会で個人的に気になったのが、カタールの自国を応援する熱量が低かったことです。

 僕はカタール対オランダを見に行ったんですけど、カタールにはそもそもカタール人が少ないし、代表の選手も純粋にカタールで生まれ育ったカタール人が少なくて、代表チームに対しての熱量は、今まで見てきた開催国のなかで一番低かったなと感じました。

 その熱量のなさが選手たちにも伝わってしまったのか、最後の最後までがむしゃらに1点だけでもとりに行こうといった執念みたいなものも感じられず、ちょっと寂しかったですね。

 これは試合の中継に映っていたかはわからないですけど、英語で「勝っても負けてもありがとう、カタール」というボードを掲げているカタールサポーターがスクリーンに抜かれて、それが前半20分くらいだったんですよ。いや、それは試合が終わってから掲げるものでしょうって(笑)。

 ドーハの町中では労働者層というか、いわゆる富裕層ではない人たちと触れ合うことが多くて、そういう人たちは自国を応援するより、各国のスター選手たちを応援してW杯をすごく楽しんでいる感じでした。

 国土が小さくて、歴史の浅い国でのW杯は初めてで、国民がサッカーとか自国の代表にあまり関心がないというのも初めてで、それは新鮮でもありました。でもやっぱり開催国が自国の応援で盛り上がってこそW杯だと思うので、そこの温度差は残念でしたね。

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