カタールW杯現地観戦のカカロニすがやがサポーターの熱狂を語る。「あれだけスタジアムが一体となった日本コールは記憶にない」 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【コスタリカちょっとはしゃぎすぎだぞ】

 でも、コスタリカがドイツに逆転して、一時は日本1位、コスタリカ2位の瞬間がありました。その時はスタジアムが「いや、コスタリカそれは違うぞ。やりすぎ、やりすぎ」ってなりましたね。そんなことしたらスペインが本気で攻めて来ちゃうからって(笑)。日本が引き分けでも敗退する状態になったので、より「コスタリカちょっとはしゃぎすぎだぞ」となりました。

 その後、冨安健洋選手が出る準備をしている時に、「センターバックが3人ともイエローもらってるけど誰と代えるんだろう」とみんなが頭のなかで考えていて、ウイングバックに入った時はしびれましたね。あんな交代は想像もしていなかったです。

 同じタイミングで入ってきたジョルディ・アルバとアンス・ファティを完璧に抑えて、本当になにもさせなかった。それと三笘選手の守備です。対人守備はとにかくすごかった。フェラン・トーレスになにもさせず、ダニエル・カルバハルをぶち抜いて浅野拓磨選手に入れたクロスの場面では、スタジアムがめちゃくちゃ湧き上がりました。

 最後のほうは向こうのスコア状況がどうなっているか、情報が追いついていませんでした。だから実は1点とられたらまずいというのを把握していなくて、みんなちょっと楽しく盛り上がっている感じでしたね(笑)。

 もうドイツとスペインを破って1位通過なんて二度とないかもしれない。そんな歴史的なことを成し遂げたので、終了の笛が鳴った時は今までで一番盛り上がったのは言うまでもありません。

 ただ、街に出るとグループ敗退が決まっている国の人たちが帰国し始めていて、ドイツ戦後のようなお祭りムードはもうなく、祭りが終わる寂しさがありました。ただ、日本人同士はこれ以上ないほど気持ちのいい時間だったことは間違いなかったです。

 ただひとつ、ちょっと残念だったことがあります。あまりにもすごい結果を出してしまって、試合後に選手たちがサポーターのところに来てくれようとしたんですけど、相当な数のカメラマンが押し寄せてしまって。結局、軽く挨拶したくらいで終わってしまったので、それはちょっと寂しかったです。

 他の国はグループ突破したら選手とサポーターが一緒になって歌ったり、踊ったりしていたから、僕たちもやりたかったです。それはまた4年後に叶えたいですね。

後編「カカロニすがやが感じた、試合以外でのカタールW杯」>>

カカロニ すがや 
1991年3月5日生まれ。東京都豊島区出身。お笑いコンビ「カカロニ」のツッコミ担当。2014年ブラジルW杯、2018年ロシアW杯を現地観戦した、サッカー日本代表サポーター。ロシアW杯の日本対セネガル戦で、上半身裸に「16強」と書いたボディペインティングで観戦。スタンドに飛んできたセネガルのシュートを、ヘディングでクリアしたシーンがテレビ中継に映り話題になった。カタールW杯では日本のグループリーグ3試合を観戦。サポーター目線から各メディアでの現地レポートで活躍。 
Twitter:@sugayazinho 
Instagram:sugayazinho

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「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」

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【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

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