ドイツ戦で森保監督がついに見せた"イケイケ采配"。3段階の積極策で日本代表はトップギアになった (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

積極采配でドイツを後手に

 もちろん、終始後手を踏んだドイツの後半のベンチワークにも問題はあったが、ドイツも完全に劣勢を強いられていたわけではなく、それなりに後半もチャンスを作り続けていたことが、後手の采配を誘発する要因でもあった。

 試合後のスタッツは、ボール支配率がドイツの65%対日本の22%(中立13%)で、シュート数はドイツの25本(枠内9本)対日本の10本(枠内3本)。1試合トータルのパス本数は、ドイツの820本(成功743本)対日本の261本(成功207本)と、前日のアルゼンチン対サウジアラビア戦で起きたジャイアントキリングとよく似たスタッツだった。

 いずれにしても、日本が下馬評を覆してドイツを下した背景には、森保監督が見せた後半の積極采配があったことは間違いない。それは、目の前で混乱する久保を見ていながら、守備の修正を施せなかった前半の采配ミスを補って余りあるものだった。

 この勝ち点3を台無しにしないためにも、次のコスタリカ戦が極めて重要になることは言うまでもない。

【筆者プロフィール】
中山淳(なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。

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