日本代表のカナダ戦は収穫よりも不安が増した内容。目立ったのは遠藤航と守田英正の不在

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 例えば、前半途中からプレスがハマらなくなった時でも、彼らがいれば一度リトリートするなりして、事態の改善を図れたのではないか。あるいは、ビルドアップがうまくいかなかった時には、周りの選手を動かしながら立ち位置を変え、パスがつながりやすくすることができたのではないか。そうした疑問が頭をもたげる。

 少なくとも、"ふたりまとめて"いなくなるとキツい、ということははっきりしただろう。

 4年前を振り返ると、2018年ロシア大会の直前、日本代表はパラグアイとの親善試合に4-2で勝利している。

 ワールドカップ開幕を2カ月後に控えたタイミングで監督交代に踏み切った日本代表は、それまで親善試合で3連敗とドン底状態。ところが、結果的に本番でベスト16進出を果たせたのは、この勝利をきっかけに潮目を変えたから、と言ってもいい。

 4日前の試合から10人を入れ替えた先発メンバーは、有り体に言って、サブ組中心と考えられていた顔ぶれだった。しかし、結果的にこの試合で好連係を披露したMF香川真司、MF乾貴士らが、本番でスタメンの座を奪い、その後の快進撃につなげた。

 この試合が本番の結果につながったのは、勝ったからというだけではなく、主力とサブの立場が入れ替わるほどに充実した内容を見せたからだ。

 本番直前の試合は、あくまでも準備。負けたらダメという試合ではない。

 だが、日本代表が目指しているのは、大会初戦のドイツ戦に勝つことではない。中3日の3試合を戦ってグループリーグを勝ち上がり、さらにその先の1試合に勝利することである。

 だとすれば、どうか。

 替えの利かない選手がいることは頼もしい反面、相応のリスクがはらむことも意味している。

 目指すはベスト8進出――。その期待と不安を天秤にかければ、前者に傾くような試合だったと言うのは難しい。

webスポルティーバの大人気対談
「中村憲剛×佐藤寿人 日本サッカー向上委員会」が一冊の本になった!

 書籍名は「ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話」

 ふたりが願う「日本サッカーのさらなる向上」を実現するため、さまざまなテーマに沿って対談形式で本音をぶつけあう。また、カタールワールドカップ直前企画として「ふたりの思い出のワールドカップこぼれ話」、さらにはふたりが熱望した元日本代表MF中村俊輔選手を招いて豪華な「スペシャル鼎談」も収録。プロとして20年近く現役を続けられたふたりの言葉は、「サッカー以外の人生」にもきっと役に立つ。

<中村憲剛さんからのコメント>
「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」

<佐藤寿人さんからのコメント>
「僕らはスポーツの世界で経験してきたことを話していますけど、それをうまく変換して『自分事』として捉えていただき、それぞれの環境で生かしてもらえたら。サッカーをやってきたなかで学んだことは、人生にも役立つんです」

【書籍名】 ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話
【発 行】 集英社
【発 売】 2022年11月14日(月)
【定 価】 本体1,700円+税

◆ご予約はこちらから>> 「集英社・書籍案内」 「Amazon」 「楽天ブックス」

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る