鎌田大地が日本代表のエースになるまで。「W杯のために今季があるわけではない」 (2ページ目)
自信も周囲からの信頼も変わった
鎌田は以前から移籍願望を隠していない。実際、2019年からは毎年、夏になると移籍の噂が出ていたが、どれも実現しなかった。だが、気落ち的に割りきれていた今年は「集中できている」と言う。代表戦の2試合も「コンディションのいい状態でプレーすることができている。それがそのまま出た」と認めた。
フランクフルトでも望外の結果を出していることも大きな違いだ。2020-21シーズンは、ブンデスリーガ4ゴール3アシスト、ヨーロッパリーグ(EL)で5ゴール1アシスト。コンスタントに起用されてはいたが、ブンデスでの初ゴールは12月15日第16節ボルシアMG戦まで待たなくてはならなかった。
それが今季はすでにブンデスリーガで4ゴール4アシスト、チャンピオンズリーグ(CL)では、得点こそないが、ドイツ代表マリオ・ゲッツェらとともに攻撃の中心として機能している。現在の日本人の欧州組でここまでの結果を出している選手はなかなかいない。CLに出場しているクラブでレギュラーと言えるのは鎌田と守田英正(スポルティング)、古橋亨梧、旗手怜央(セルティック)ぐらいだ。鎌田の自信も、周囲からの信頼度も、大きく変わったと言える。
代表の選考に対しても強気でいられるようになった。EL優勝を経験した後には、こんなことを語っていた。
「選ばれたら頑張りますし、選ばれなかったら選ばれないだけという感覚なので。僕自身はフランクフルトクラス、もしくはこれ以上のクラスでプレーしている日本人は2、3人しかいないと思っていて、代表に選ばれて当然の環境でプレーはしてると思う。僕自身はやれることはやってるので、これで選ばれなかったら、特に何も考える必要はないし、選ばれた時に頑張るだけかな、と。自分で決められることでもないですし、給料はフランクフルトからもらっていて、代表は誇りとプライドで戦うような場所。だからこそクラブで結果を残していきたいと思います」
エクアドル戦後、鎌田はあらためて日常の大事さを口にしている。
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