森保ジャパンの序列に「大きな変化があるのではないか」。欧州サッカー日本人選手の出来に明暗で福田正博が指摘 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

伊東純也の1トップだってある

 同じくフランスのランスに移籍した伊東純也は、本来の右サイドアタッカーではなく、2トップの一角で起用されながら結果を出している。伊東が右サイドアタッカー以外のところでもプレーできるのを証明したことは、日本代表に大きな変化を加えやすくなったと言える。

 さまざまな選手を試したが、結局のところ日本代表は大迫勇也(ヴィッセル神戸)のコンディション待ちの状態にある1トップの問題を解消できていない。そこで、伊東を1トップに据える手があってもいいだろう。

 もうひとりの候補である古橋亨梧(セルティック)の場合、彼のスピードを生かした動き出しを生かすにはパサーが必要だ。だが、伊東はスピードのあるドリブルという、個で打開できる武器がある。

 いずれにしろ、これまで主軸として日本代表を支えた南野や大迫の状態によるが、ここから本番までの限られた時間のなかで、選択肢が増えたのは日本代表にとっては歓迎すべきことだ。

 過去のワールドカップを振り返れば、大会直前になってチームにメスを入れたケースはある。2010年南アフリカW杯での岡田武史監督は、中村俊輔を控えに回す決断を下して守備的に臨み、決勝トーナメント進出を手にした。

 前回の2018年ロシアW杯でも、大会直前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督を解任し、経験のあるベテラン選手たちが生きるチーム構成にしたことでベスト16まで勝ち進んでいる。

 今回について言えば、日本代表を新たに突き上げている選手たちも、森保監督がこれまで招集を続けてきた選手たちだ。それだけに、誰がどんな布陣で使われても、ピッチ上の連携面の不安は小さいメリットがある。

 ドイツやスペインという、一筋縄でいかない相手が待ち構えるグループリーグに臨むため、ここから森保監督がどんな決断を下すのか。まずはワールドカップ前に行なわれる最後の国際親善試合、9月23日のアメリカ戦、9月27日のエクアドル戦を注視したい。

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