カタールW杯まであと100日。日本代表と森保一監督にいま求められることは何か (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Sano Miki

新鮮なパワーを発揮できる選手がいないと勝てない

浅田 日本代表の6月の4試合を見ると、主力組中心の試合は内容があまりよくなかったし、メンバーをちょっと入れ替えるとうまくいかなくなるところがありました。W杯最終予選の最後のベトナム戦で、メンバーを入れ替えてひどい試合をした流れが続いています。それもふまえると、森保監督がメンバーの入れ替えに積極的になるとは思えません。

欧州組を含めた直近の代表戦では、チュニジアに0-3で敗れている日本欧州組を含めた直近の代表戦では、チュニジアに0-3で敗れている日本この記事に関連する写真を見る杉山 変えにくい感じが出てしまっているのは確かです。なによりそれは森保監督が作り出したムードなのですが、そこを壊せるか。いずれにせよ、監督力の占める比重が高まっているのは間違いありません。

浅田 変えたほうがいいというのは賛成です。杉山さんが、大会の前にバタついた時のほうが成績はいいと言いましたけれど、言い換えれば、実績とは関係なく調子がいい選手を選ばざるを得なかった時のほうが成績がいいということ。南アフリカW杯を前に、岡田武史監督がそれまでチームの中心だった中村俊輔を外した時はまさにそうでした。

杉山 説明が難しいのですが、その新鮮さが新たなエネルギーを生むのです。

浅田 もちろん、あの時の本田圭佑や前回大会の乾貴士のような選手が今シーズン、出てくるという保証もないですが、瞬間風速的にとてつもないパワーを発揮する選手を生かさないと、実力的に劣る日本がまともにやっても勝てません。

杉山 ただ今回の日本代表は、これまでにないほど、メンバーに実力差がほとんどないと思います。E-1選手権は国内組だったとはいえ、直後に橋本拳人がスペインに行ったように、いつ欧州に行ってもおかしくない欧州組予備軍のようなもの。10段階で8の選手はいなくても、6、7の選手はいくらでもいる感じです。つまり、絶対に代表に入らなくてはいけない選手は実は少なくて、せっかく枠が26人に増えたのだから、その分、上がり馬的な選手、藤田譲瑠チマのような20歳そこそこの若い選手を積極的に抜擢したほうがいいと思います。

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