カタールW杯まであと100日。日本代表と森保一監督にいま求められることは何か (2ページ目)
欧州組のコンディションを見極められるか
浅田 希望的観測だと言えばそれまでですけどね。
杉山 シーズンの真っ只中ということは、すべては選手のコンディション、調子に深く関わってくると思います。その意味で、欧州でプレーする選手たちの今季の出来はきわめて重要になってきます。これは日本に限った話ではありませんが、開幕後にレギュラーをとれていない選手、出場機会を減らしている選手、逆に使われすぎてすり減ってしまった選手をどう見極めるか。
これまで代表の中心だった選手や名前のある選手でも、コンディションを落とす選手は必ずいるでしょう。特にアタッカーは調子優先で選んだほうがいい。シーズンが始まったら森保一監督はずっとヨーロッパにいたほうがいいぐらいです。
浅田 いつものW杯だったら、シーズン中にあまり試合に出ていなくても、代表に合流して何試合かやるなかで、コンディションやゲーム勘を上げていくことができたけど、リーグ戦最後の試合から10日後にはW杯第1戦という今回は、そういうわけにはいかない。リーグ戦で試合に出てないと苦しいでしょうね。これまで主力として起用してきたけれど、シーズンが始まったら試合に出れなくなった欧州組の選手を、森保監督が切れるかどうかというのもポイントになりそうです。
杉山 その勇気があるどうか。
浅田 日本はW杯の最終予選を、少なくともホームのオーストラリア戦以降はメンバーを固定して戦いましたから、そのメンバーがクラブで試合に出れなかったらどうするのかは心配です。それ以前に、そもそもメンバーを固定したのが良かったのかという問題もありますが。
杉山 これまでのW杯を見ていると、日本はW杯を前に、ドタバタした時のほうが本大会の成績がいいんです。同じメンバーで悪い意味で安定していたジーコやザッケローニの時はダメでした。基本的に、予選終了後からメンバーがある程度、変わっていないダメなんだと思います。そこに今回はコンディションの問題が加わってくる。
イメージとしては11のポジションのうち3つぐらいは変えたほうがいい。代表チーム内で、レギュラーとそうでない人がはっきりしているのもよくない。2試合目、3試合目と試合数が増えると、中3日で行なわれる今回はとりわけ、選択肢に行き詰まるんです。
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