森保ジャパンで唯一の新戦力。伊藤洋輝が左サイドバックに定着するためには何が必要か
日本代表の6月ラウンドが終了した。最終戦となるキリン杯決勝チュニジア戦では0-3の完敗を喫し、本番前の数少ない試合で弱点を確認できたこと自体を収穫とするしかないが、今回の4試合で新しい発見があったとしたら、伊藤洋輝の存在だろう。
伊藤は初代表ながら、堂々としたプレーで3試合にフル出場。唯一、ブラジル戦に出場できなかったのは本人としても心残りだろうが、長らく日本代表の不安要素だった左サイドバックのスタメン争いに名乗りをあげた。長友佑都が右サイドバックに回るのだとすると、左サイドバックの本命に近いと言っていいのかもしれない。
ガーナ戦に続きチュニジア戦もフル出場した伊藤洋輝この記事に関連する写真を見る 伊藤は1999年生まれの23歳。2021-22シーズン、ジュビロ磐田からシュツットガルトに加入した。当初はトップチームではなく、U-23チームへの期限付き移籍という契約ではあったが、夏のキャンプからトップチームに加わると、ペッレグリーノ・マタラッツォ監督の覚えもめでたく、そのまま定着した。
シーズン最初の公式戦となったドイツ杯1回戦は、4部BFCドレスデンが対戦相手だったこともあって若手主体で臨み、伊藤もメンバーに入ってフル出場した。ドイツ杯では1部のチームが格下相手に思わぬ敗戦を喫することもあるが、この時はしっかりと6-0の勝利に貢献。するとその翌週のリーグ開幕戦でベンチ入りし、第3節で途中出場、第5節で初スタメンを果たした。
11月にはブンデスリーガ公式サイトが選出するルーキー・オブ・ザ・マンスに選出されるなど、チームの中核選手としてシーズン通して活躍。ポジションは主に3バックの左で、身長188センチと大柄ながら、軽快に動けて対人に強く、対角へ鋭いロングキックを放つ左足も武器だ。
今回の日本代表では、3試合とも左サイドバックでプレーした。代表は4バックがメインで、センターバックには吉田麻也、冨安健洋、板倉滉らが揃っていることを考えると、今後もこのポジションでの起用がメインになると考えられる。
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