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日本代表における三笘薫の序列はサブのままでいいのか。課題は本人も自覚する「連係の乏しさ」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

チュニジア戦で足りなかったもの

 またガーナ戦では、敵マーカーを何度も奈落の底に突き落としていた。ドリブルで勝負するだけでなく、右足でゴール前を横切るアーリークロスはタイミング、球筋も抜群だった。2点目はインスウィングのクロスに味方が飛び込んで相手を惑わし、直接ネットを揺らした。そうかと思えば、3点目は左サイドを縦に抜き去り、マイナスに折り返し、久保建英の代表初ゴールをお膳立てした。

 では、なぜチュニジア戦は得点まで結びつかなかったのか?

「前半からチャンスになっていたのは、(伊東)純也君のサイドを起点にしたクロスだったので、自分も役割はそこだな、と思って入りました」

 三笘はそう語ったが、左サイドでは孤立無援だった。ドリブルしか選択肢がなかった。チーム全体にリードされた焦りもあったのか、攻め急ぎ、連係が乏しかった。

「(ゴールが決まらなかった理由は)シンプルに(自らのプレーの)最後の質。あとは、もう少し人数をかけて攻めるとか、チームとして揺さぶりながら攻めるのも必要で。周りをうまく使って仕掛けるのも課題。まだまだ(仕掛けの)バリエーションが少ない」

 三笘は答えを持っていた。チームとしてコンビネーションを巧みに使えるようになったら、もはや彼を止めることは難しいだろう。

 その意味で、キーマンとなるのは鎌田かもしれない。チュニジア戦、交代で下がる直前に見せた南野へのラストパスは陶酔があった。一瞬でディフェンス網を切り裂いた。ヨーロッパリーグ(EL)で優勝したフランクフルトでも、セルビア代表MFフィリップ・コスティッチとの連係でバルセロナなどの強豪を撃破しており、三笘とは近い関係性を作れるはずだ。

 だが、森保一監督は鎌田を三笘と交代でベンチに下げた。序列を気にかけた選択だった。守りのリスクを少なく、という意識も働いたのかもしれない。

 その点では三笘に小さな懸念もある。ブラジル戦、チュニジア戦と、日本は三笘の交代出場後に失点。特にチュニジア戦の3失点目は、センターサークル付近で彼が五分五分のボールを持ち去られてしまい、強烈な一撃を叩き込まれた。

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