久保建英「なんで出してくれないのか」。ブラジル戦での悔しさをバネに代表初ゴールは生まれた (3ページ目)

　久保はひとつ、山を乗り越えた。

　もっとも、インサイドハーフでポジションを確立したわけではない。この日のガーナのような相手はＷ杯本大会にいないだろう。攻め込まれる展開は増えるはずで、受け身に立つと、久保は分が悪い。同じポジションでは田中碧、原口元気、守田英正が定着し、鎌田大地もパラグアイ戦で名乗りを上げた。右サイドアタッカーでも伊東純也、堂安に次ぐ３番手。トップ下でも一番手ではないのが現状だ。

　ただ、やはり久保がピッチに立つことで攻め手は増える。自ら奪って蹴った左足FKは大きくバーを越えたが、ひとつの可能性だろう。左足のインスウィングで合わせたFKも際どかった。少なくとも、得点が必要なスクランブル編成では、貴重な戦力になるはずだ。

「（ブラジル戦から）連敗は許されないって気持ちで入りました。個人的にはチャンスだと思って。次の試合（チュニジア戦）も、もっと得点に絡めるようにしたい」

　Ｗ杯シーズンの久保は、代表初得点という儀式を終えた。