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サッカー日本代表の攻撃陣にミスキャストは続く。ガーナ戦大勝を喜べない理由 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

森保監督に0トップのアイデアはないのか

 中盤フラット型3-4-3といえば、アルベルト・ザッケローニがイタリア時代に専売特許にしていた布陣として知られる。1トップを務めていたのは、オリバー・ビアホフというドイツ代表の190センチ台の長身選手だった。ザック式3-4-3は、ビアホフがいたからこそ成立していた布陣でもあったのだ。

 事実、ザッケローニは日本代表監督としては、1トップと1トップ下が近距離で構える4-2-3-1をメインに戦っている。3-4-3にトライするも、採用はわずか2試合にとどまった。ザッケローニは、ポストプレーができる選手がいない日本に適さない布陣だと述べたのだった。

 どうしても快足系を1トップで使いたいのなら、布陣は4-2-3-1か4-4-1-1的な4-4-2にすべきなのだ。1トップ下にボールを収める力のある選手(鎌田や南野)を置けば、なんとかバランスは保たれる。

 なぜ森保監督は、4-2-3-1から4-3-3へ移行したのか。広島時代に愛用していた3-4-2-1から、日本代表では4-2-3-1へ移行した理由も明らかにしていないが、布陣のコンセプトにキャスティングがマッチしないのは、そのあたりの理由が曖昧なことと深い関係がある。布陣への造詣が深いようには見えないのである。

 この日、代表初ゴールを挙げた久保建英は4-3-3のインサイドハーフとして出場した。右ウイング、1トップ下、左ウイングに続く4ポジション目での起用になるが、収まりが悪かった。ハマっていなかったというか、もっと言えば、中盤選手に不可欠な状況を判断する力が足りていなかった。まさにミスキャストだった。

 森保監督は今シリーズ、鎌田もこのインサイドハーフで使っている。4-3-3上に収めるなら、ここしかないと考えたのだろう。しかし、たとえば2019年10月のタジキスタン戦のように、0トップ気味に使うアイデアは湧かなかったのだろうか。大迫不在ならば、それに代わる選手として適役と思わなかったのか。

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