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日本代表の中盤をスペインの名指導者が称賛。「鎌田大地、原口元気の長所」とは? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

戦術面では満点に近かった

 そこで見逃しそうになる点が、GKシュミット・ダニエルの好パフォーマンスだろう。前半30分前後、日本のディフェンス陣が、相手のシューターに対し、やや寄せが甘く、自由に足を振られ、与えたFKも危険だった。しかしシュミットはことごとく無難にセーブしていた。二次攻撃を許さず、相手に流れを与えず、先制点を促したと言える」

 エチャリはそう言って、ディテールを見逃していない。36分には、日本の先制点が生まれた。

「日本は、戦術的優位性を得点に結実させている。伊藤からのロングボールが浅野に入って、落としを受けた原口が左に運んでスペースを作り、浅野にスルーパス。浅野はGKとの1対1でループを決めた。

 42分にも、右サイドバックの山根視来がつけたボールを堂安がカットインした瞬間、鎌田が反応。ファーから飛び込み、ヘディングで決めた。それぞれの距離感がよく、次のプレーに結びついたと言える。

 2-0にされた後、パラグアイは目に見えてパワーダウンした。W杯南米予選で敗退し、新たに発足したばかりのチームであるし、遠征疲れもあったのだろう。デルリス・ゴンサレスがよく一矢を報いたというべきか。

 日本は、インサイドハーフだがトップ下のようでもあった原口、鎌田のふたりが戦術的に突出し、高いレベルでチームを動かしていた。

 このリポートを読んできた方ならご存じだろうが、監督の視点に立った場合、原口は『外せない選手』と言える。戦術的な精度が高く、身体的な強度も高い。技術レベルも堅実で、鎌田同様、3点目となる三笘薫に入れたパスも手際がよかった。どのポジションで入っても、プレーを補強できるのだ。

 また、鎌田はとにかくプレーを難しくしない。4点目の田中碧へのアシストのシーンでは、前田大然が奪ったボールを迅速につなげていた。一番、簡単で効果的なプレーを選択できる、極めて賢い選手だ。

 戦術面では満点に近い試合になったが、課題もなかったわけではない」

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