サッカー日本代表の歴代最強はどのチームか? 識者5人が考えたベスト3

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次のカタールW杯で、7大会連続の本大会出場となるサッカー日本代表。長い歴史のなかで、歴代最強と言えるのは、果たしていつの時代のチームだったのだろうか。日本代表を長く取材するライター5人にアンケートを取り、集計の結果、ベスト3を発表する。

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ロシアW杯を戦った、2018年のサッカー日本代表ロシアW杯を戦った、2018年のサッカー日本代表この記事に関連する写真を見る3位/トルシエジャパン(2000年アジアカップ、2002年日韓W杯など)

2000年アジアカップ時のトルシエジャパン2000年アジアカップ時のトルシエジャパンこの記事に関連する写真を見る

日本がアジアで時代を変えた

浅田真樹(スポーツライター)

 所詮はアジアカップ優勝。アジアで日本が強いのは当たり前――。そう言って、この時のタイトル獲得を低く見積もることは可能だろう。

 だが、2000年当時の日本はというと、まだワールドカップに一度しか出たことがなく、アジアカップ優勝にしても、自国開催の1992年大会で一度あっただけ。現在とは異なる常識が存在していた時代の話である。

 にもかかわらず、フィリップ・トルシエ監督率いる日本代表は、2000年アジアカップで圧倒的な強さを見せつけて優勝。その強さは、旧態依然としたサッカーがまかり通っていた時代にあって、アジア各国の意識を根本から変えさせたと言っても大げさではない。

 日本の選手たちがピッチ上に深さと幅を作り出し、次々と相手ゴールに迫る様は痛快そのもの。グループリーグ初戦では、当時アジア最強の誉れ高かったサウジアラビアを4-1と圧倒。続く2戦目も、ウズベキスタンを8-1と粉砕した。

 しかも、先制すれば強い、という程度の生半可なチームではなかった。準々決勝ではイラクに4-1、準決勝は中国に3-2と、いずれもリードを許しながら逆転勝利を収めている。少々の"事故"が起きたところでビクともしない。そんな勝ち方が、一層強さを際立たせた。

 日本がアジアにおいて時代を変え、そこから世界へ打って出る。その足がかりを作ったのが、このチームだったのではないだろうか。

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