サッカー日本代表4連戦、福田正博の注目は上田綺世、伊藤洋輝、代表復帰組。課題は選手の組み合わせ (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

鎌田大地の起用法に注目

 難しいのは、単純に攻撃能力を優先して選手を配置すればいいわけではないところにある。ドイツやスペインとの対戦では、日本代表が押し込まれる時間帯が長くなると想定できるため、まず求められるのは守り。そのうえでボールを奪ったら素早く反撃に出ていけることが大切だ。ここでの攻守のバランスが取れる最適な組み合わせを見出すために、森保監督は4試合を使って選手のいろいろな組み合わせや配置を試すはずだ。

 そのなかで注視しているのは鎌田の使い方だ。日本選手のなかでは間違いなくトップクラスの実力だが、彼を中心にしたチームをつくるほどの絶対的な存在とは言いきれない。彼の能力を生かすにはトップ下で起用するのが最善策だが、ここまできている4-3-3のフォーメーションだと、そのポジションがない。

 では、インサイドハーフに鎌田を置けばいいとの考えもあるだろうが、それだと攻守のバランスが取れなくなりそうなのが難しいところだ。最前線に置いてゼロトップ的な起用をする方法もあるが、いずれにしろ森保監督がどういう試みをするのかは楽しみでもある。

 堂安の巻き返しにも期待している。W杯アジア最終予選では、攻撃が伊東純也(ヘンク/ベルギー)頼みの状態になっていたが、同じポジションの堂安が今回しっかりアピールできれば、攻撃の選択肢は増える。久保建英(マジョルカ/スペイン)にも言えることだが、彼らがカタールW杯に出場するためには、ここが瀬戸際という意識を強く持って臨んでほしい。そのうえで日本代表での存在感をふたたび高め、伊東以外の選択肢になってもらいたいと思う。

 日本代表の活動は、今回の4試合を終えると、7月にJリーグ組で臨むE-1選手権(日本、中国、韓国、香港)、9月のA代表で臨むテストマッチしかない。その後は直前合宿になり、11月には本大会を迎える。

 活動期間は限られているだけに、W杯登録選手のうち7〜8割は今回の強化試合のメンバーから選ばれると予想できる。それだけに、今回の4試合ではさまざまな組み合わせが試されるだろうが、どんな組み合わせであってもしっかりチームとして機能するところを見せてくれると期待している。

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