パリ五輪世代「大岩ジャパン」に集まった楽しみな素材。3月の初陣ではレアル中井卓大など海外組の招集も (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

レアル下部所属の中井も?

 さて、最初のキャンプを打ち上げたU−21代表だが、3月下旬には最初の国際大会となる「ドバイカップU−23(UAE/ドバイ)」への参加が決まっている。

 今年21歳以下のいわゆる"パリ世代"は、昨年開催予定だったU−20ワールドカップがコロナ禍で中止になったこともあり、国際経験が十分に備わっているとは言いがたい。それなりの経験を持っているのは、2019年U−17ワールドカップ・ブラジル大会に出場した選手たちくらいだろうか。

 少なくともこの2年は、大会・親善試合を問わず、国際試合を行なえていないのが現状だ。だからこそ今後に向けては、こうした機会が不可欠となる。

 U−17ワールドカップメンバーのひとりである藤田は「久々にヨーロッパのチームとできる。久々の海外遠征で難しさもあるが、環境も全然違うので、そういうところを楽しみながらできればいい」と胸をふくらませる。

 また、ドバイカップが行なわれる3月下旬はインターナショナルマッチデー(FIFAが定めた国際試合開催のために日程)に当たるため、選手の招集が比較的しやすく、大岩監督は海外組を呼ぶことも示唆している。

 現在ヨーロッパのクラブでプレーする、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカB/ポルトガル)、FW斉藤光毅(ロンメル/ベルギー)、FW二田理央(ヴァッカー・インスブルックU−23/オーストリア)などに加え、レアル・マドリード(スペイン)の下部組織に所属する18歳、MF中井卓大の招集もあるかもしれない。

 コロナ禍が完全に収束してはいない現在、今後のスケジュールを長期的に見通すことは難しい。いつでもどこでも好きなように選手を集め、強化策を施せるわけではない。

 しかし、大岩監督はそれを承知のうえで、「計画性と即興性」をキーワードに掲げ、「U−21代表を強いつながりのあるグループにしていくことが前進するための大前提」と前向きに語る。

 パリ五輪でのメダル獲得を目指し、動き始めたU−21日本代表。立ち上げ早々、早くも活発な動きを見せている。

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