2022.02.03

日本代表の改善点をスペインの名指導者が指摘。「受け身に回りすぎている」「不安定さの象徴」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

「中国戦も含めて、個人としては伊東純也のパフォーマンスが目を引いた。ホーム2試合連続得点、予選4試合連続得点というだけでなく、サウジアラビア戦はアシストの精度も見事だった。過去2試合、4得点すべてに関わっており、日本の勝利を牽引したと言えるだろう」

 スペインで数々の選手、監督を育ててきたミケル・エチャリは、そう言って日本が2-0で勝利したサウジアラビア戦を振り返っている。

 エチャリは監督養成学校の教授として、ポジショナルプレーをヨーロッパで広めたひとりである。数的有利よりも、ポジション的有利の本質を何十年も前から説いてきた。名将ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)の師匠であるフアン・マヌエル・リージョ(元ヴィッセル神戸監督)が、10代の頃から指南を受けてきた人物である。

 サッカーの仕組みを知るエチャリは、サウジアラビア戦の日本をどう分析したのか?

すべての得点に絡み、守備面での貢献も大きかった伊東純也すべての得点に絡み、守備面での貢献も大きかった伊東純也 この記事に関連する写真を見る 「日本は4-3-3というよりは、4-5-1に近い布陣で挑んでいる。平たく言えば受け身で、守る陣形をしっかりと作った。中央に人を集めながら、サイドの選手も防御の厚みを加えていた。

 一方のサウジアラビアはサイドバックが高い位置を取って、日本を押し込んでいる。攻勢だった証拠として、コーナーキックから何度もゴールを脅かした。トップ下のモハメド・カンノが攻撃のキーマンで、常にギャップを取ってボールを受け、リズムを作った。

 日本は攻撃が中央からに固執しすぎ、ノッキングしていた。サイドを起点に、スピードとテクニックを生かした突破に活路を見出すべきだった。そこに、日本サッカーのストロングポイントというのもあるし、サウジアラビアのサイドは脆さを抱えていた。日本はサイドに人材を擁しているだけに、彼らがポジションを変え、相手を動かすことで、もっと優位に戦えたはずだ。

 前半32分の日本の先制点の場面もサイドを糸口にしていた。酒井宏樹の縦パスに伊東が右サイドで走り勝って、すばらしいパスを折り返し。大迫勇也がそれをスルー。後ろから入った南野拓実がひとりを外した後、左足を振り切ってゴールネットを揺らした。