日本中が熱狂した歴史的な一戦。明神智和が「サッカーの一番の醍醐味」を体験した代表のベストゲーム (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 日本にとって、ワールドカップ通算5試合目にして初めて手にした歴史的1勝。だが、「ワールドカップ初勝利を目指そうとは言っていましたが、いざ終わってみると、その試合に勝った安堵だけでした」と明神は振り返る。

 じわじわと初勝利の実感が湧いてくるのは、しばらく時間が経ってからのことである。

「バスに乗って(試合会場の)横浜から(キャンプ地の)静岡まで帰って、自分の部屋に入ったときに、『あー、よかったー』って思いましたね(笑)。

 部屋で何をしたわけでもないですが、あらためて『ワールドカップで勝てたんだな』とひとりで勝利をかみしめ、それを味わうっていう感覚になりました。

 その夜は、あまり眠れなかったと思います」

(つづく)

明神智和(みょうじん・ともかず)
1978年1月24日生まれ。兵庫県出身。1996年、柏レイソルユースからトップチーム入り。長年、主将としてチームを引っ張る。その後、2006年にガンバ大阪へ移籍。数々のタイトル獲得に貢献した。一方、世代別の代表でも活躍し、1997年ワールドユース(ベスト8)、2000年シドニー五輪(ベスト8)に出場。A代表でも2002年日韓W杯で奮闘した。国際Aマッチ出場26試合、3得点。現在はガンバユースのコーチを務める。

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