2021.09.29

森保ジャパンの顔ぶれに数々の疑問。最重要の2戦に代わり映えしないメンバーで良かったのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 これでは「欧州組にあらずば代表に呼ばれる資格なし」と、言われたのも同然である。欧州組か否かに境界線が設けられた気がする。森保一監督は代表選手に、海外組というステイタスを求めているのか。

 代表監督に求められている資質はオリジナリティだ。独自の眼力。スカウティングの力だ。練習時間が短い代表チームの生命線でもある。選手を招集した時点で、代表監督の仕事は半分以上終わっているとは、欧州の常識だ。その点で、海外組か否かという線を引かれてしまうと、本当に自分の目を信じて選考しているのかと疑念が生じる。

 海外組で固められた代表メンバーは、言ってみればオールスターキャストだ。知名度の高い有名選手の集団である。今回加わった浅野、三好、田中、橋岡、板倉の5選手もお馴染みの選手だ。そうした意味での安心感はある。だが、期待値は高まらない。どんなプレーをするか読めてしまうからだ。

 観戦者にとっては、好ましくない既視感が浸透しているのである。メダルという結果を残せなかった五輪代表チームを含む森保ジャパンの過去と、それは密接な関係がある。似たような顔ぶれが並べば、ファンは「またあんな感じのサッカーになるんだな」と見られてしまう。いまこそ過去との違いを明確に打ち出す必要があるのに、それができていない。いくらオールスターキャストを並べても、こちらの胸は躍らない。新しい出しものが披露されるのではないかという期待感を抱くことはできないのである。

 オマーンに0-1で敗れ、中国に1-0で辛勝。これは大変だぞという状況にもかかわらず、新たな手がなさそうなムードを醸し出している森保ジャパン。スタメンや布陣までそらで言える代わり映えしない陣容で、サウジアラビア、オーストラリアというB組のライバルと戦うことになりそうな雲行きだ。

 サウジアラビア戦は、先の中国戦で活躍した伊東が累積警告で出場できない。三好はその代役として選ばれたのだろう。堂安と2人で右を担当するのだろうが、筆者は、ウインガーとしてなら坂元達裕(セレッソ大阪)のほうが、優れていると思う。ゴールへのルートを計算しながらプレーしている頭のよさが光る選手だ。