2021.09.02

中村憲剛、佐藤寿人の本音爆発「五輪代表で一番合っていたコンビは…」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

佐藤 戦い方を変えるというよりも、ピークの持って行き方ですよね。日本はグループリーグでいっぱいいっぱいになってしまったので。

中村 力がついてきたことは間違いないですが、まだ余力を残して突破できるほどのレベルではないと思います。ロシアワールドカップのベルギー戦もしかりですけど、したたかさは強豪国に比べればまだまだ足りない部分。それはすぐに身につくものではなくて、こういう経験を重ねていくしかないと思います。

 グループリーグは突破できるようになってきた。でも、決勝トーナメントではなかなか勝てない。今回はPKで勝ちましたけど、90分で勝ったのはロンドン五輪の1回(近年の話なので1968年メキシコ五輪は除く)。ワールドカップでは3回突破したけど、決勝トーナメントではまだ一度も勝てていないじゃないですか。

 ただ、何事も一回経験すると、それが引き出しになって、あの時はこうだったからこうやっていこうという話ができる。だけど、抜けられないと、いつまでもそういった話ができません。

---- ベスト16の壁をいかに突破するかというのは、ワールドカップにおける日本代表のテーマになりますね。

中村 そうですね。ロシアワールドカップの時のようにベスト8に肉薄するような戦いを何回もして、積み上げてどこかでベスト16を抜ける体験をすることが、すごく大事なことだと思います。日本はワールドカップに出られなかった時期が長かったけど、一度出場したら、そのあとは出ることが当たり前になった。

 初めてのことを経験すると、予想も対策も立てられるようになる。勤勉性だったり、真面目さを日本は持っているので、一度の経験がそのあとに生かせているわけなんです。

 今はコンスタントにグループリーグを突破できるようになったけど、まだ決勝トーナメントでは勝てていない。その壁を何かの拍子で突破してくれれば、その経験を引き出しにする力は十分にあるはず。それがいつになるのかわからないですけど。

 カタールになるのか、その先になるのか。でも、そこを突破しなければ、先にはつながらないことは間違いないでしょう。

(後編につづく)

【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに入団。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグ最優秀選手賞を受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

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