最悪の出来だったU-24日本代表。それでも彼らは苦戦を勝ち切る要素を備えていた

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 フランスに大勝した一方で、ニュージーランドに大苦戦。MF久保建英の言葉を借りれば、「簡単な相手はいないけど、勝てない相手はいない。今日、まさにそのとおりの試合になった」。

 内容的に言えば、不満は残る。これまでの4試合で最悪の出来だろう。見ていてフラストレーションがたまる試合だった。

 しかし、勢いを加速させ、短期決戦を制するためには、案外悪くない勝ち方だったのかもしれない。

ニュージーランド相手に苦戦を強いられたU-24日本代表だが...ニュージーランド相手に苦戦を強いられたU-24日本代表だが...この記事に関連する写真を見る 東京五輪準々決勝、日本はニュージーランドと対戦し、延長戦も含めた120分間スコアレス。PK戦の末に4-2で勝利を手にし、辛くも準決勝へ勝ち上がった。

「間違いなくタフな試合になるとは思っていたし、相手もそう簡単に諦めるチームじゃないと思っていた」(DF吉田麻也)

 苦戦は想定内とはいえ、それは、あくまでもニュージーランドに守備を固められ、日本が攻めあぐねるというものだったのではないだろうか。ここまで相手にボールを持たれ、攻め込まれる時間を作られると想定していたのかは疑わしい。

 日本の選手は、連戦の疲れがあるのか、立ち上がりから全体に動きが重かった。

 DFラインからのビルドアップが相手の守備によって制限され、思ったように攻撃を組み立てられないばかりか、逆にニュージーランドにはテンポよくパスをつながれ、何度も日本陣内深くまで進入を許した。

 決定機の数で日本が上回っていたのは確かだが、時間を追うごとにニュージーランドの出足が上回るシーンは増えていた。必ずしも日本が優勢に進めていたとは言い難い内容の試合である。

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