スペインの名指導者が久保建英の守備を評価。気になったのはメキシコ戦と同じ改善すべき点 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

 フランスはこの攻撃に対し、まるで対処できていない。単発の攻撃はあったが、守備で後手に回った。防衛線が破られていた。

 しつこいようだが、攻撃陣の活躍は守備の安定に根づくものだ。

 例えば日本は、右サイドバックの酒井が相手に何もさせていない。彼の場合、おまけに追加点まで奪った。攻守両面で目立った選手と言える。惜しむらくは、前半終了間際にイエローカードを受け、累積で準々決勝が出場停止になったことだろう」

 エチャリは日本の攻撃陣を称賛しながら、守備の堅牢さを強調していた。

「後半になると、日本は後がないフランスに再び押されるようになり、失点のピンチもあった。しかし、乱調にはなっていない。カウンターで脅かしながら、徐々に巻き返していった。

 攻撃陣での注目は、上田と旗手だ。

 上田に関しては、すでに書き記してきたので、新たな発見ではない。とにかくサッカーを知っているストライカー。動きの質が良く、フィジカル的にもしなやかで、動きながらボールを扱える選手だ。

 旗手は、左右どちらの足も使えて、攻撃に入った時のプレーが多彩だった。右足で打ったミドルは可能性を感じさせた。橋岡大樹の右からのクロスをヘディングで合わせたシュートは完全にミスとなってしまったが、サイドバックの時とは違って見えた。

 前がかりになって、攻守のバランスを崩したフランスに対し、日本は効果的なカウンターを発動していたのが印象的だった。攻められはしていたが、マネジメントは悪くなく、落ち着いていた。そして69分、左サイドの中山雄太から前線の上田にパスが通って、ポストプレーでは旗手に落とし、そのパスを受けた三好康児が左足で突き刺した。

 この後、日本は遠藤、堂安を下げ、次の試合に主力を温存する形になった。ボールを回して時間を経過させ、試合の締めに入っている。フランスの選手が危険なプレーで退場処分になり、1人少なくなったこともあったが、過去2試合の教訓を生かすように、自分たちのペースで終盤を戦った。

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