グループリーグ3連勝の東京と敗退したリオ。五輪代表は何が変わったのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

五輪サッカーの光と影(6)~2016年リオ五輪
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「後半の戦い方には課題を感じざるを得ませんが、粘り強く守れたのは良かったかなと思います。相手が10人になったので、もう少し自分たちでボールを動かしてもよかったですが、勝てたのでポジティブに考えています」

 東京五輪、メキシコに2-1で勝利した試合後、遠藤航は前向きな反省のコメントを残していた。試合のマネジメントがいかに大事か。それをブンデスリーガという修羅場で身をもって会得したのだろう。

 あるいは、それはグループリーグ敗退で終わったリオ五輪での経験がひとつの教訓になっているのかもしれない。

「(リオ五輪を踏まえて東京五輪では)シンプルに、3試合で終わらせたくないです。前回は長く準備してきて、いざ始まったらグループリーグ敗退でした。それは悔しかったし、もっと一緒にプレーしたいという強い思いがありました。(オーバーエイジで参加して)東京五輪(世代)の選手もそういう思いがあって臨むはずだし、自分は(五輪経験者として)メンタルやプレーのサポートをしたいですね」

 そう語っていた遠藤は、東京五輪で超然と攻守の舵を取っている。

 南アフリカ戦ではパワーのあるカウンターに対し、粘り強く攻守を支え、常に先手を取って、1-0と勝利に貢献した。メキシコ戦では、猛烈な寄せで何度もボールを奪い取るとそのままゴール前へと運び、その推進力が際立っていた。フランス戦では防衛線を張って相手が蹴り出したボールを回収し、「いい守備をいい攻撃」に変換。グループリーグ3連勝に貢献した。

リオ、東京と2大会連続で五輪に出場している遠藤航リオ、東京と2大会連続で五輪に出場している遠藤航この記事に関連する写真を見る 東京五輪のチームはどこが強くなったのか。5年前のリオ五輪を検証することで、それは見えてくる。

 リオ五輪のサッカー男子代表は、成績的には酷評されるべきものではない。ナイジェリアには4-5で敗れたが、コロンビアには2-2とドロー、スウェーデンには1-0で勝利し、1勝1敗1分け。グループリーグを勝ち上がっても不思議ではなかったし、3試合で7点を奪った攻撃陣は能力の高さを披露した。

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