日本がメキシコに完勝した理由。メダルへの課題はボール支配率と選手交代 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

 それは日本人監督が指導するチームにありがちな、日本サッカーの構造的な問題といってもいい。ボール支配率の悪さは、7月17日に神戸で行なわれたU-24スペイン代表とのでも顕著だった。36%対64%。この傾向は、初戦の南ア戦でも見え隠れした。日本の支配率は52%を示したが、南アが5バックで自軍ゴール前を固める作戦をとってきたことを考えると、60%はほしい試合だった。

 遠藤に代表される、ボールを奪う力を讃える声はいま溢れている。それを否定するつもりはないが、奪ったボールをなぜすぐに奪われてしまうのかとの批判は、なぜかあまり聞こえてこない。要はバランスの問題だが、そのあたりの改善を怠ることは、ボールを簡単に失うサッカーを肯定することになる。

 個々の技術力をチーム全体にどう反映させるか。試合が進むにつれ、問題点ははっきりしてきた気がする。「メキシコと準決勝以上でもう一度対戦したら勝てるか」と問われれば、現状では5割に達していないと見る。

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