U-24日本代表はアテネ金のアルゼンチンを彷彿。OA3人が「史上最強」と言えるわけ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 今回選ばれた吉田と酒井は、すでに2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会と2度のワールドカップを経験しており(酒井はブラジルでの出場はなし)、遠藤にしても、ロシア大会では登録メンバー入りしている(出場はなし)。

 そのうえ、東京五輪開幕の1カ月以上も前からチームに合流させ、24歳以下の選手との融合を図っているのだから、本気度はこれ以上ないほどに高い。反町康治技術委員長が「(他国より)一歩リードしていると勝手に思っている」と話すのもうなずける。

 加えて、今回の3人は、そろって五輪本大会を経験していることも心強い。

 男子サッカーにおける五輪は、U-17、U-20のワールドカップに続く、U-23の世界大会と位置づけられている(東京五輪は1年延期となった影響でU-24)。

 とはいえ、"本家"のワールドカップはもちろん、U-17やUー20の大会と比べても、五輪はかなり特殊な大会だ。

 準決勝から中3日で行なわれる決勝を除き、すべての試合間隔が中2日。しかも、登録メンバーは18人。多くの大会の登録メンバーが23名であることを考えると、かなり少ない。フィールドプレーヤー16人で最大6試合を戦わなくてはならないばかりか、規模の大きな総合競技大会であるため、スタッフの人数などいろいろと制約も多い。

 それだけに、いかに心身両面でいいコンディションを保つかが重要なカギとなる。過去の経験は、若いチームにとって大きな意味を持つはずである。

 吉田が2008年北京五輪、酒井が2012年ロンドン五輪、遠藤が2016年リオデジャネイロ五輪と、それぞれが五輪世代だった時の大会に出場しているのに加え、吉田はOAとしてロンドン五輪にも出場している。つまり、今回のチームには、過去3大会の経験が蓄積されていることになるわけだ。

 OAの3人合わせて、延べ回数にしてワールドカップ5回、五輪4回という経験値は、過去の日本の五輪代表はもちろんのこと、世界を見渡しても突出したものだと言っていいだろう。

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