日本代表が5連戦で手にした4つの収穫。攻撃陣の充実ぶりが頼もしい (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

 気がかりなのは、新シーズンにどのクラブでプレーするかだ。欧州5大リーグのビッグクラブへステップアップする可能性はある。高いレベルでのさらなる成長は楽しみだが、その状況に身を置くということは、試合に出られなくなるリスクもはらんでいる。

 試合に出られなくなってコンディションやパフォーマンスが低下するケースは、過去何度もあった。鎌田がそこを踏まえて、移籍の判断をどうするのか。日本代表にとっての影響も小さくないだけに、気になるところではある。

 そして最大の収穫は、大迫勇也(ブレーメン)に代わって追加招集されたオナイウ阿道(横浜F・マリノス)が、1トップとしての存在感を見せたことだ。

 これまで日本代表の攻撃力は、大迫が1トップを張る時と、他のFWが起用される時では大きな差があった。他の選手はポストプレーで大迫ほどボールを収められず、2列目の選手の攻撃力を生かせなかったからだ。

 今回の代表戦でも当初は大迫が1トップを務めたが、ケガのため途中離脱。そこで追加招集されたのがオナイウだったが、正直、彼があそこまでポストプレーができるとは予想していなかった。

 キルギス戦ではハットトリックを決めた。相手のレベルに関係なく、どんな試合でもゴールを決めることは価値がある。そして、それ以上に目を見張ったのが、セルビア戦でのポストプレーだった。体格の大きな相手DFを背負っても、ボールを受けて1トップとして機能した。これには驚かされた。

 大迫と比べて足りない部分はまだあるものの、ボールをしっかり受け、周りの味方と連動した。あれだけボールを収めてくれれば、今後も招集される機会は必ずあるだろう。

 オナイウはリオデジャネイロ五輪世代だが、五輪予選は戦ったものの、最終メンバー入りはできなかった。2017年にはジェフユナイテッド千葉から浦和レッズに移籍したものの、出番のない日々を送った。当時の印象は、真面目に何でもやろうとするFWで、自分の強みを生かしきれていないプレーが目についた。

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