スペインの戦術家が「日本代表の肉付け」として選んだ6人の特長 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

鎌田大地

 タジキスタン戦の後半からトップ下で出場。最初の20分間は独壇場だった。パスのテンポを生み出し、プレースピードを上げ、相手を翻弄。浅野拓磨のスピードを生かして決定機を演出した。ボールを引き出し、引きつけ、自在にキーとなるパスを送った。試合の流れを劇的に改善させるほどの存在感。橋本との縦関係も出色だった。後半途中からは徐々にペースダウンし、なぜかミスも多くなっていったが......。

 セルビア戦はトップ下で先発。南野とのコンビプレーは知性を横溢させていた。お互いが呼吸ひとつでパスを出し合い、スペースを走って、わずかな乱れでシュートまでいかずとも、得点の匂いが漂った。注目したFKは足が滑って外したが。

南野拓実

 タジキスタン戦はトップ下で先発したが、本来の出来ではなかった。しかし、前半40分には、山根視来、古橋亨梧とつないだボールをニアポストで受け、逆転弾を叩き込んでいる。マークの外し方は秀逸。シュートまでの一連の動きは際立っていた。他にも浅野に出したパスなど、随所に質の高さは見せていた。

 セルビア戦は左サイドアタッカーで先発。中央まで広範に動き、前線からの守備で強度を見せ、攻撃の起点にもなっている。時間を重ねるごとに、長友佑都、鎌田とコンビネーションを深めていった。鎌田との連係はお互い呼吸が合っており、代表の主武器になるのではないか。

◆日本代表にスペインの名伯楽が提言。「プレーリズムに改善の余地あり」

古橋亨梧

 タジキスタン戦に右サイドアタッカーで先発。先制点の場面では、ダイアゴナルのランニングで中に入ると、パスを受けてシュートに行ったのは浅野だったが、そのこぼれ球を拾い、左足でフィニッシュした。連続性が感じられる好プレーだった。後半は左アタッカーでプレー。カウンターからひとりで持ち込んだ決定機では、フリーだった味方を探してもよかった。終盤はFWに入ったが、2点目を決めることはできていない。

 セルビア戦はトップで先発。裏だけでなく、サイドにも流れ、ボールを引き出し、戦術的役割を果たしていた。その機動力はひとつのアドバンテージになっていたが、前半でオナイウと交代した。

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