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スペインの戦術家が「日本代表の肉付け」として選んだ6人の特長 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 キルギス戦は後半16分からトップ下、トップでプレー。浅野の得点につながったカウンターの起点になったボールの運び方は見事だった。プレーに連続性があり、精度や判断が狂うことはあるものの、チームに活力を与えられる存在だった。

浅野拓磨

 タジキスタン戦ではトップで先発。うまくマークを外し、裏に抜け出し、攻撃の選択肢を与えていた。古橋、山根、鎌田からラストパスを引き出し、攻撃を活性化。シュートはなかなか決まらなかったが、動きの質は高かった。

 セルビア戦は後半31分に交代出場。植田直通から背後へのパスを引き出すと、これをスプリントで抜け出し、GKと1対1になった。目を見張る動きだったが、相手にぶつけてしまった。

 キルギス戦は左アタッカーで先発。前半は有効なボールが出てこなかったが、後半は徐々に持ち味を発揮した。何度も深みを作って、攻撃を牽引。5点目となるカウンターでは、自陣から古橋が持ち運んだ時、一度はファーに逃げて2人のディフェンスを誘って、近寄ってきた古橋と交差するようにニアに走り、スプリントでボールを受け、ゴールに流し込んだ。

 浅野は数多くシュートを外していたが、戦術的選択肢として捨てがたいものがある。私も含めて、多くの指導者が同じことを感じるだろう。マークを外すうまさがあり、両足で強烈なシュートが打てるし、単純に足が速い。ポゼッションが停滞した時など、彼が前線にいることで背後に縦へボールを蹴り込める。有力なオプションになるのだ。

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