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日本代表右SBとボランチの競争が激化。山根視来と橋本拳人に存在感 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

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 4-2-3-1の「3」の右には後半、坂元達裕(セレッソ大阪)が起用された。目立った活躍はなかったが、坂元は山根にとって歓迎すべき相手だったに違いない。酒井、室屋が槍タイプのSBであるのに対し、山根はジワジワ型のSBだ。家長昭博(川崎)的なテイストを備えた坂元の方が、良好なコンビネーションは築きやすい。

 チームとしてSBをいかに活躍させるか。この現代サッカーの概念がこの日の日本サッカーには不足していたのである。

 もうひとり、光った選手を挙げるならば、山根とのコンビで3点目のゴールを決めた橋本だ。中盤で攻守にわたり獅子奮迅の活躍を披露した。守備的MFといえば、現在の第一人者は遠藤航(シュツットガルト)だ。1ボランチ(アンカー)の4-3-3で戦う場合は、遠藤が一番手になる。また、最近株を上げているのが、このタジキスタン戦で後半投入された守田英正(川崎)で、U-24の田中碧(川崎)と板倉滉(フローニンゲン)も、グッとよくなっている。

 さらに、所属の川崎でCBを務める谷口彰悟も、前戦(U-24日本代表戦)に続き、この日も後半から守備的MFとして起用された。橋本拳人がしばらく代表を離れている間に、ライバルは急増していた。

 守備的MFは人材豊富になっているが、この日の橋本は、首位を行く遠藤航さえ脅かしそうな、スケールの大きな好プレーを披露した。パスのキレという点では遠藤より上だ。身体に無理を効かせた泥臭いプレーもできる。総合力が高い守備的MFであることを、この試合を通してアピールした。

 森保監督の見立てはいかに。この先も各ポジションで、競争が激しくなるような選手起用をしてほしいものである。スタメンが誰かわからない混沌とした状態が続くことは、チームがレベルアップした証。筆者としては大歓迎である。

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