価値を示した遠藤航。露見したU-24代表に本当に必要なOA選手

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ひとりの選手交代によって試合の流れが変わること自体、決して珍しいことではない。

 心身ともに疲弊した選手たちの中に、フレッシュな選手がポンと入れば、動きのよさが目立つのは当たり前のことではある。

 だが、それにしても、だ。

劣勢だったU-24代表の流れを変えた遠藤航劣勢だったU-24代表の流れを変えた遠藤航 異例の日本代表"兄弟対決"、A代表対U-24代表の試合は、兄貴分であるA代表が3-0で勝利した。

 A代表は弟分を飲んでかかるように、試合開始わずか2分でCKから先制。その後も、前半終了目前の41分、後半立ち上がりの52分と、サッカーでは集中力が切れやすいと言われる"魔の時間帯"でスキを突くように加点した。

 一方のU-24代表はボールこそ持たせてもらえるものの、チャンスらしいチャンスは作れない。A代表に比べると、一人ひとりのボールを持つ時間が一拍ずつ長くなり、攻撃のテンポは一向に上がらなかった。

 勝負は大勢を決し、A代表ペースのまま、試合終了へと向かっていた。

 そんな流れが大きく変わったのは試合終盤の78分、U-24代表にオーバーエイジ(OA)枠で加わったMF遠藤航が投入されたことがきっかけだった。

 MF板倉滉に代わってボランチに入った遠藤航は、素早い寄せから中盤でボールを奪うと、広いサイドへボールを展開。U-24代表が相手を押し込む状況を連続して作れるようになると、それまでは相手に渡っていたセカンドボールを拾えるようになり、ノッキングばかり起こしていたサイド攻撃も滑らかに動き出した。

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