日本代表にあってU-24に足りないもの。大迫勇也と鎌田大地の重要性が浮き彫りになった
日本代表(A代表)対U-24日本代表。3-0という結果は一方的な内容に見える。五輪本番を50日後に控えたU-24のほうが心配になる。
U-24の監督としてこの試合に臨んだ横内昭展氏は、試合後、A代表とのプレーの強度の差について、こう言及した。「慣れるまでに時間がかかってしまった」と。
だが、それが一番の敗因だとすれば何も問題はない。U-24はアンダーカテゴリーの育成チームだ。体力面ではわずかながらA代表に劣る。また、個々の経験値には大きな開きがある。チームとしての熟練度も違う。さらに6日前(5月28日)、A代表にはミャンマーとスパーリング同然の試合をこなした利があった。コンディション的にもU-24より良好だったと思われる。この状況下でU-24が勝利したら、それこそ事件だ。
今回、オーバーエイジ枠としてU-24に帯同している3人(吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航)のうち、このA代表戦に出場したのは遠藤航のみ。それも後半33分からという遅い時間帯だった。3人がスタメンを飾りながらこの結果では、問題ありと言いたくなるが、そうでないなら、3-0はごく当たり前の結果に他ならない。
この試合を語る時、注目すべきは両軍、交代のカードを切り合いながら迎えた終盤の戦いにある。むしろ試合を押していたのはU-24のほうだった。筆者的には、この事実を見逃すわけにはいかない。
2点目のゴールを決めるなど、日本代表の攻撃を牽引した鎌田大地 交代カードを切りながら、戦力を落としていったA代表。U-24はその間隙を突くも、得点には至らずに終わる。これが後半の姿だった。試合が拮抗した理由は、ハーフタイムで鎌田大地が、後半17分に大迫勇也が、それぞれベンチに下がったことと深い関係がある。この2人がいるといないとでは、戦力的に大違い。2人揃っていれば鬼に金棒。このことがハッキリした試合だった。
反対に、U-24には大迫と鎌田にあたる存在の選手がいなかった。
U-24は4-2-3-1の「3」に、遠藤渓太、久保建英、三好康児(3)、「1」に田川享介(1)をスタメンに並べた。後半の頭からは、田川はそのままで、「3」は前田大然、三好、相馬勇紀に変化した。
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