サッカー日本代表のユニフォームはなぜ青いのか。その歴史と理由に迫ってみた (2ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

 イタリア代表は「アッズーリ」と呼ばれるが、イタリア語でブルーという意味の「アッズーロ」の複数形が「アッズーリ」だ。しかし、イタリアがなぜブルーのユニフォームになったのかについては、理由がわかっていない。「イタリア半島を取り囲む海の色」とか「かつてイタリア王国を統治していたサヴォイア王家の紋章の一部の色」とか諸説あるが、本当のところは何もわかっていないのだ。

 国際試合に出場するために編成される日本代表。現在では海外クラブ所属も含めて、日本国籍を持つすべての選手の中から選抜されるのが当たり前になっているが、1921年に日本サッカー協会が結成された当時は「全日本選抜」結成は不可能だった。交通機関が未発達だった当時、たとえば関西の選手を東京に呼んで合同合宿をすることは難しかったのだ。

 そこで、1917年に東京で開催された極東選手権大会に日本のサッカーが初めて参加した時には、日本最強と言われていた東京高等師範学校(筑波大学の前身)が選ばれて代表として出場した(中国に0-5、フィリピンに2-15と大敗)。

 その後も日本は極東選手権大会で中国やフィリピンと戦うのだが、1920年代は大会前に国内予選が行なわれ、優勝したチームが日本代表として派遣された(他のクラブから補強選手を何人か入れて戦うことが多かった)。

 しかし、日本でも少しずつサッカーが盛んになってきた1930年の極東選手権大会は、東京の明治神宮外苑競技場で開催された。現在の国立競技場がある場所だ。そこで、日本サッカー協会はこの大会には単独チームではなく、全日本選抜チームを組んで出場し、優勝を狙うことにしたのだ。

 実際、この大会で日本(全日本選抜)はフィリピンに快勝し、中国とは3-3で引き分けて同時優勝。日本のサッカーが国際大会でタイトルを獲得したのは、これが初めてだった。

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