14点奪うより大切なこと。5-0にしないと挑戦できなかった日本代表 (3ページ目)
◆サプライズ選出や不当な扱いも。外国人監督に翻弄された日本代表の選手たち>>
それはともかく、この4-2-3-1から4-3-3への変更を最も歓迎したのは、右のインサイドハーフに収まることになった南野拓実(サウサンプトン)だろう。
韓国戦に続き、南野は4-2-3-1の3の左で先発出場した。韓国戦で代表デビューを飾った小川諒也(左SB/FC東京)、この日が代表デビューの松原健(右SB/横浜FM)、さらには、守田英正(守備的MF/サンタクルス)、鎌田大地(1トップ下/フランクフルト)、伊東純也(右ウイング/ゲンク)らが、溌剌としたプレーを繰り広げるなかで、南野はひとり蚊帳の外という感じだった。4-2-3-1の3の左に適性を見いだせず苦戦。韓国戦より、ずいぶん開き気味に、ウイング然と構えたが、逆サイドの伊東と比べると、ハマった状態にないことが一目瞭然だった。
南野の適性は1トップ下だが、そこには鎌田がデンと構えている。どちらかひとりという選択になれば、もはや鎌田が勝った状態にある。一方、今回はU-24に回ったが、左ウイングにも売り出し中の選手がいる。三笘薫(川崎フロンターレ)だ。三笘との比較でも、南野は劣った状態にある。
4-2-3-1、あるいはそこから派生する4-4-2上において、南野は居場所を見いだしにくくなっていた。
森保監督はハーフタイム、韓国戦に続き4-2-3-1の2の左で先発し、活躍していた守田に代わり、浅野拓磨(パルチザン)を投入した。ベンチに下げる選手と、異なるポジションの選手を投入するいわゆる戦術的交代である。浅野が収まった場所は左ウイングで、南野は鎌田のさらに右へと移動した。
守備的MFは1枚に減ったので、中盤3人の構成は正三角形型から逆三角形に変化した。4-「3」―3の「3」の並びそのものである。
南野は鎌田とともにインサイドハーフの座に就いたのだ。この瞬間、南野に対するポジション的な違和感は完全に解消された。水を得た魚と化した。
4-2-3-1と4-3-3。ふたつは言ってみれば、親戚のような関係にある布陣だ。4-2-3-1は4-4-2と4-3-3の中間型。4-4-2はプレッシングサッカーの定番布陣で、4-3-3はオランダ代表、バルセロナ系の攻撃的布陣だ。
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