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名波浩が検証する日本代表。遠藤航&守田英正のコンビは新たな発見だった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

 それなら、縦にどんどん蹴られたほうが、日本は絶対に嫌だったはずだ。センターバックの吉田麻也と冨安健洋は強いので、ヘディングの競り合いでは日本が勝つだろうが、セカンドボールの拾い合いになれば、韓国の選手はガツンと人ごとボールを奪いにくるようなプレーができる。ACL(AFCチャンピオンズリーグ)を見ていても、日本のクラブが韓国のクラブに負ける時は、だいたいそういうところでボールを失ってやられているから、なおさらそう思う。

 だが、今回の韓国はセカンドボールの争いにおいて、まったく魅力がなかった。迫力や強さが感じられず、むしろ行かない、行けない、みたいな感じだった。MF鎌田大地にしろ、MF南野拓実にしろ、削りにいっているのに倒れないから、「なんだよ、こいつら」という感じで、戸惑っている様子もあった。

 メンタル的な余裕も、日韓の間で差を感じた。

 特にMF遠藤航と鎌田のふたりは、かなり余裕を持っていた。ボールを失ってもまったく慌てることがないし、ターンしたあとに漂う空気感は、FW大迫勇也のさらに上をいっている感じがした。

 もちろん、今回はホームアドバンテージがあったと思う。それでも、きっちり3点を取って勝ったことは評価できる。

 仮に、この試合がホーム&アウェーのファーストレグだとして、アウェーのセカンドレグでも、向こうは怖がって絶対に出てこられなくなる――そういう状況を作った試合だったと思う。

 1998年フランスW杯予選以来、日本と韓国は最終予選で同じグループになっていないけど、あくまでも個人的な"予感"として、そろそろじゃないかという気がしている。

 もしそうなったら、今回と同様、欧州のクラブに所属する選手を呼ぶのが難しい状況だったとしても、韓国は無理してでもベストメンバーをそろえるのではないだろうか。そうしないと、差がついてしまうことがわかったと思う。それぐらい、韓国にとっては衝撃的な試合だったとも言える。

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