久保建英、三笘薫ら前線の関係に疑問。アルゼンチンに惜敗ではなく完敗 (3ページ目)
さらに言うならば、左のサイドバック(SB)には旗手怜央(川崎)が起用された。これも川崎・鬼木達監督のアイディアを拝借したものだ。「選手の特徴が生きる布陣」というより、川崎の成功にあやかった布陣と言いたくなる。旗手もまた、U-23アジア選手権では招集外だった。
三笘と旗手は後半21分、相馬勇紀(名古屋グランパス)、古賀太陽(柏レイソル)とそれぞれ交代。ピッチを後にした。
先発した4-2-3-1のアタッカー陣4人では、田川が後半33分、三好が後半42分、それぞれ食野亮太郎(リオ・アベ)、林大地(サガン鳥栖)と交代でベンチに下がっている。
唯一フルタイム出場したのは、1トップ下で起用された久保だった。メンバー交代6人制で行なわれた試合で、最後までピッチに立つアタッカーは珍しい。エースとして期待されている証と見たが、マジョルカ→ビジャレアル→ヘタフェと渡り歩く中で、思ったほど活躍できていないスペインリーグでの現状が、この試合を見ていると、腑に落ちるのだった。
ひと言でいえば、選手としてのスケールが膨らんでいない。少年サッカー選手を見ている感じなのだ。ゴールから逆算されていない、立体感に欠けるその場限りのプレーと言うか、プレーが個人的かつ独善的で、連続性ではないのだ。周囲を使うプレー、活かすプレーもうまくない。
最大の武器はドリブルだ。しかし、ポジションは1トップ下だ。三笘のところでも述べたように、ドリブルには不向きなポジションである。にもかかわらず、ドリブルを仕掛ける。メッシならわかる。マラドーナなら100%納得する。往年のクライフでもまったく問題なしだが、久保には難しい。首をひねりたくなる強引なプレーに見える。久保が真ん中付近でドリブルを開始すると、周囲は傍観するのみとなる。
惜しいところまではいくので、もうちょっとと、つい期待を寄せたくなるプレーでもあるが、最後まで抜ききれる人は、世界でも数えるほど。バロンドール級の選手のみだ。
久保の現状はオールマイティーにはほど遠い。ドリブル&フェイントを武器にするウインガーとして、サイドからチャンスメークを図る三笘のほうが、いい選手に見えてしまう。しかし、「1トップ下が一番やりたいポジションだ」と久保はテレビのインタビューで語っていた。横内代行監督も1トップ下でフル出場させた。
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