久保建英、三笘薫ら前線の関係に疑問。アルゼンチンに惜敗ではなく完敗 (2ページ目)
日本人選手の技術の進歩を象徴する存在が、かつての小野伸二であり、今日の久保建英(ヘタフェ)になる。それに今回は三笘薫(川崎フロンターレ)が加わった。昨季からJリーグを沸かせている時の人だ。南米予選を首位通過した世界の強豪アルゼンチンに、技術で対抗する構えは整った格好だった。サッカーファンの関心は日韓戦以上に高まっていたはずだ。
◆三笘薫の挑戦。脱スーパーサブでドリブラーから「真のエース」へ>>
試合前、注目されたのは布陣だった。これまで森保一監督も、代行の横内昭展監督も、もっぱら3-4-2-1で戦ってきた。三笘も、最後に選出された2019年12月に行なわれたジャマイカ戦がそうであったように、3-4-2-1の2シャドーの一角でプレーしたわけだが、森保、横内両氏から高い評価を得ることができずにいた。2020年1月に開催されたU-23アジア選手権(タイ)では、招集外の憂き目にあっている。
ところが、ご承知のように、三笘はそのタイミングで川崎に入団するや大ブレイク。13ゴール12アシストを挙げ、ベストイレブンにも選ばれた。自慢のドリブル突破を最大の武器にする4-3-3の左ウイングとして、だ。だが、五輪チームが採用する3-4-2-1には左ウイングのポジションはない。2シャドーの一角は、サイドアタッカーではない。ドリブラーにとって技術を発揮しにくい場所だ。
三笘と森保サッカー、横内サッカーとの相性は悪かった。時の人=三笘をあらためて招集するにあたり、横内代行監督は、布陣を変えるつもりなのか。三笘のために、左ウイングのポジションを用意するのか否か。
「選手の特徴が生きる布陣で戦いたい」と、横内代行監督が試合前に口にしたコメントを耳にすれば、あらかた察しは付いていた。しかし、実際にピッチに4-2-3-1が描かれ、その左ウイングのポジションに三笘が立つ姿を確認すると、これまでの戦術的こだわりは、何だったのかと、五輪チーム首脳陣に対する疑念は大きく膨らむのだった。
ワントップは田川亨介(FC東京)で、その下に久保。左に三笘、右のウイングに三好康児(アントワープ)を配置する4-2-3-1。
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