韓国代表「海外組」の実力はいかに?注目は久保建英と同年齢のMF (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 とくに昨年は、バーンリー戦(2019年12月7日)でマークした自陣エリア付近からの長距離ドリブルシュートが、最も優れたゴールを決めた選手に贈られる「FIFAプスカシュアワード2020」を受賞。世界中の話題をさらったばかりだ。

 もちろん今回の招集メンバーリストにも名を連ねるが、残念ながら直近のアーセナル戦で負傷を負ったため、来日の可能性は微妙なところ。ただし、仮に予定どおり来日した場合、今回の試合の注目度がより高まることは必至と言える。

 続く注目株は、現在25歳のFWファン・ヒチャン。こちらも10代でヨーロッパに渡った逸材だ。

 オーストリアのレッドブル・ザルツブルクに加入してキャリアを重ね、今シーズンからドイツ・ブンデスリーガのライプツィヒに移籍。その間、ローンで先輩ソン・フンミンがプレーしたハンブルガーSVでもプレーしたほか、ザルツブルク時代にはアーリング・ブラウト・ハーランド(ドルトムント)や南野拓実と共演したことで、日本のサッカーファンにもお馴染みの選手だ。

 前線の複数ポジションをこなすうえ、スピード、スタミナ、フィジカル、得点感覚を兼備。新天地ではここまでリーグ戦で無得点とまだフィットしたとは言えないが、南野と似たタイプの万能型アタッカーが現代表の中核であることに疑いの余地はない。

 ただ残念ながら、当初は今回の招集リストに加わっていたが、クラブの新型コロナウイルス対策の影響で参加を辞退する運びとなった。

 今回招集された選手のなかで注目の若手を挙げるとすれば、スペインのバレンシアでプレーするMFイ・ガンインになる。

 現在20歳のイ・ガンインは、10歳でバレンシアの下部組織に入団したスペイン育ち。2019年のU−20W杯では韓国U−20代表の一員として2ゴール4アシストをマークし、準優勝の原動力となっただけでなく、大会MVPも受賞した神童だ。

 2018年にトップデビューしたバレンシアでも年々進化を遂げて出場時間を伸ばしており、とくに今シーズンはスタメン出場が急増。持ち前のパスセンスとキック精度に磨きがかかり、好不調の波が少なくなった印象だ。身長173cmと決して恵まれた体格とはいえないが、デュエルの強さも向上し、実戦的なアタッカーに成長した。

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