2020.11.14

久保建英がバージョンアップ。
完璧アシストで「自らのゴールも近い」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 久保が過去に出場した日本代表の9試合を振り返ると、彼らしいプレーが随所に見られることはあっても、それらは概して単発だった。

 当然、そのうち6試合が途中出場だったことも、影響はしているだろう。短い時間で試合に入り込み、自らの特長をコンスタントに発揮するのは簡単なことではない。

 しかし、この試合に関していえば、劣勢の時間も多かった前半は、我慢強く高い位置でプレーを続け、"ここぞ"という縦パスが入ったタイミングでは決定的なチャンスを作る。そうやって、徐々に試合の主導権を引き寄せるなかで存在感を強めていった。

 これが4試合目の先発出場とはいえ、五輪世代中心の"準A代表"で臨んだコパ・アメリカでの2試合を除けば、先月のコートジボワール戦に続く、実質2試合目。にもかかわらず、「だんだん味方の特長がわかってきて、連係を深めながら、チームのコンセプトを理解してきている」という久保は、先月の試合に比べ、明らかに自分の武器を生かしたプレーができていた。

 もちろん、コートジボワールとパナマでは大きく実力が異なる点は差し引いて考えねばならない。だとしても、たまたま1回の決定機を作ったのではなく、試合の流れに応じて、その都度チャンスに絡むプレーを繰り返すことができていた。コートジボワール戦からは、格段の変化を見せたことは確かだろう。

 単なる現象面の話ではなく、もっと本質的な意味において、久保が最もゴールに近づくことができた試合だったのではないかと思う。

「今日は(PKにつながるプレーの)起点というところだったが、今日みたいなプレーを続け、いいところに飛び込んでいけば(自身のゴールも)近いのではないか」

 そう語るスペイン育ちの19歳は、ゴールへの意欲をはっきりと口にする。

「(決定的なパスを)出せるけど、自分もほしいよっていうところをどんどんアピールしていきたい」

 初ゴールの瞬間は確実に近づいているようだ。

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