南野拓実、日本代表戦に不安。吉田も香川も苦しんだ試合勘の欠如 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by JFA/AFLO

 リバプール公式戦8試合のうち、南野の先発は2試合。途中出場は4試合で、合計6試合に出場している。リーグカップの2試合で先発フル出場しており、プレシーズンマッチにおいても定期的にプレーした。

 そのため今回の代表戦では、マッチフィットネス(試合体力)や試合勘の部分で小さくない影響がありそうだ。過密日程による疲労は少ないと思われるが、出場機会を得られず「試合勘」に不安のある状態で今回の代表戦を迎えることになる。

 実際、南野が最後にピッチに立ったミッティラン戦では、開幕前のプレシーズンマッチで見せていた軽快な動きは影を潜めた。トラップが足につかないシーンもあり、インパクトを残せないまま後半15分に交代を命じられている。調子を落としているように見えたのは、出番の少なさと決して無関係ではないだろう。

 所属クラブで出場機会に恵まれないのは、選手層の厚いプレミアリーグでは宿命と言える。

 サウサンプトン在籍時の吉田麻也(現サンプドリア)も、ベンチを温める時期があった。世界屈指のCBに成長したフィルジル・ファン・ダイク(オランダ代表/現リバプール)を筆頭に、トビー・アルデルヴァイレルト(ベルギー代表/現トッテナム・ホットスパー)、デヤン・ロブレン(クロアチア代表/現ゼニト)、ジョゼ・フォンテ(ポルトガル代表/現リール)といった、錚々たる選手たちとポジションを争ってきた。

 在籍8季でベンチ暮らしを強いられたシーズンもあったが、日本代表では不動のレギュラーとして結果が何よりも重視されるW杯予選を戦い抜いた。そして、本大会に2度出場を果たしている。

 吉田は以前、試合勘やマッチフィットネスについて「影響は大きいですね。試合に出ていない時期があったが、そういう時は『動けないな』という感覚が強かった」と話していた。本人が「自分は試合に出ながら調子を上げていくタイプ」と分析していただけに、その影響は大きかった。

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