鷲見玲奈が名波浩に聞く日本代表戦。「日本はまだまだサッカー発展途上国」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

鷲見 でも、名波さんは、日本のどういうところが発展途上国だなと思うんですか。

名波 先頃引退した内田篤人も、「世界と日本との差は開いている」と言っていましたが、UEFAチャンピオンズリーグの決勝とか、ヨーロッパを代表するビッグクラブの試合とかを見ていたら、まだまだそこには及ばないと思いますよね。特に今、ヨーロッパで行なわれている試合を見ていると、無観客なのによくこれだけの高い強度でプレーができるなと感心します。観客が5万人、10万人と入ったら、その声援に後押しされ、さらに強度が上がるわけですから、ゾッとしますね(苦笑)。

鷲見 では、今回の日本代表戦2試合、それぞれについてうかがいたいと思います。まずはカメルーン戦ですが、前半は少し押される展開になりながら、後半はシステムを変えて盛り返し、0-0で引き分けました。

名波 前半、ひとつのポイントになったのが、4バックの左サイドバックに安西幸輝(ポルティモネンセ)が入ったことです。

鷲見 ベテランの長友佑都選手(マルセイユ)が、コンディション不良で招集辞退となりましたからね。

名波 代表での経験が浅い安西が入ることで、全体のバランスがどうなるかなと思って見ていましたが、攻撃に特長のある安西がどんどん前へ出ていったことで、その背後のスペースを使われてしまいました。

鷲見 そこは(左センターバックの)冨安健洋選手(ボローニャ)がうまくカバーしていましたよね。

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