遠藤航は南野拓実の辛辣な言葉に納得。リオ五輪では自身の限界を感じた

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

オリンピック出場がサッカー人生に与えた影響
第4回:2016年リオデジャネイロ五輪・遠藤航(後編)

リオ五輪での激闘の舞台裏を振り返る前編はこちら>>

 2016年リオデジャネイロ五輪、日本はグループリーグでナイジェリア、コロンビア、スウェーデンと対戦。1勝1分1敗の勝ち点4でグループ3位に終わって、決勝トーナメント進出は果たせなかった。

 最後のスウェーデン戦が終わったあと、五輪代表のキャプテンを務めた遠藤航(当時浦和レッズ。現在はシュツットガルト)は、南野拓実、興梠慎三らと宿泊先のホテルのラウンジで話をしていた。

「一瞬で終わったなぁ」と遠藤が漏らした言葉に、彼らも「そうだな」と相槌を打ち、「もっとやれたのにな」と悔しさを滲ませた。

 そして、興梠はこう言った。

「みんな、世界と戦うのに、ちょっとがむしゃらさに欠けるよ」

 その言葉に、遠藤は頷いた。

「ここからステップアップできる選手、いるのかなぁ」

 遠藤がそう語ると、南野は厳しい表情で即答した。

「いや、いないでしょ」

 辛辣な回答だったが、遠藤は南野のその言葉に、妙に納得したという。それは、大会3戦を通しての結果を含めて、自分たちと世界の同年代との差、世界における自分たちの現在地が、はっきりとわかったからだ。

「大会を通して、個人的にもやれた感はなかったですね。ボランチとしては、物足りないと思いました。当時、(前所属の)湘南ベルマーレや浦和レッズでは、センターバックやリベロでプレーしていたので、ボランチを本職としてやっていたわけではなかった。ある意味、そこで限界が見えたというか、普段からそのポジションでやっていないといけない、と思わされた大会でした」

リオ五輪での戦いを振り返ったあと、東京五輪についても語った遠藤航リオ五輪での戦いを振り返ったあと、東京五輪についても語った遠藤航

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